検索窓
今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:56,285 hit

ページ20

「…花子、花子」

トントンと背を叩いてみるも反応なし。
後ろで少年くんが傘…杖?を構えて何か言っている。
耳が塞がれているので、よく聞こえないが。

「…花子、今日キャラメルソース持ってきたんだけど」

ほんの僅かに肩が揺れるが、
…以降反応なし。
お菓子で釣ろうかと考えたが、難しい。

これは相当御冠か。考えて、しからばと私は奥の手を使う。

「普」

顔を抱えられ、肩に当たっているので
声はくぐもって先輩達には聞こえない。

普段呼ばれない名前に反応した花子は
少し体勢を崩し、目をこちらに向ける。
眉間に皺が寄っている。今日はいつもよりお怒りらしい。

「ごめん、今度ぉーあれだ、校内デートとか」

ね? とあやす様な声で話す。

「…今回だけだからね」

どうやら、少し機嫌は直ったらしい。
首に顔をぐりぐりと押し付けた後、パッと離れていった。
体温が遠退いたのが少し寂しい気もしたが言わない。調子乗るし。

で、ドーナツは!キャラメルソースは!

怒っていたと思えば、キラキラした嬉しそうな眼差し。
思わず笑みをこぼす。
寧々先輩達には心配されたが、
特に何もされていないと話せば納得してもらえた。

さて、仕切り直しますか。

本校舎に移動する。
家庭科室の使用許可は先生に許可を取っている。
念の為札を貼って人避けの術を掛けてあるが気にしないでほしい。

プレーンドーナツをメインに、
チョコ、ストロベリー、その他色々。

お好みでキャラメルソースとドライフルーツ。

どうやって持ってきたか?企業秘密でお願いしよう。
少し遅めのおやつの時間。
ちょっと甘ったるい午後の空気が、私達を包んだ。






































「我ながらよく出来てるわー」

「土御門!レシピくれねぇか!?」

「〜!〜〜!!」

「これが…女子力…!」

日暮れの密会→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さくら(プロフ) - 月ヶ瀬@猫さん» 秀麗だなんてそんなとんでもない…ありがとうございます!今後も頑張っていきますので、今作をどうぞよろしくお願いします! (2020年2月28日 7時) (レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬@猫 - さくらさん» すごく秀麗な文章に圧倒されました……もう私語彙力無さすぎ……これからも更新頑張って下さい! (2020年2月28日 0時) (レス) id: 579741ae87 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - さくらみるくさん» いえいえお気になさらず!美しいだなんてもったいないお言葉ありがとうございます!冒頭の日常を切り取った文章はまさに『美しい』を目指して書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです!そのお言葉で明日からも更新頑張ります (2020年2月26日 21時) (レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらみるく - 夜分遅くにすみません、さくらみるくです!!もう毎度のごとく美しい文章...そして可愛い夢主ちゃん...全てが私の好みです...。これからも応援してます!更新頑張って下さい〜! (2020年2月26日 21時) (レス) id: babdecb30b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さくら x他1人 | 作成日時:2020年2月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。