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神「…成りゆきで一緒にいるほど仲良かったアルカ?」
土「…は?」
「…は?」
神楽のそんな意味深な言葉に私と土方さんは間抜けた声を漏らし、眉を寄せた。神楽の目は至って真剣であり、が、その目はなんだか生き生きとしていた。純粋そうな青い瞳が私の顔を見つめる。
神「ははーん……そういうことアルカA」
「え、あの…あ…話が見えないんだけど…」
神「他の誰かは誤魔化せてもこの私の目は誤魔化せないアルヨ!観念するヨロシ!」
銀ちゃんからほうきを奪い取り、先っちょを私に向け自信ありげに笑う神楽はどうやらとんでもない勘違いをしているらしい。そのキラキラとした目には申し訳ないが、神楽が思っているようなことは決してない。
土「何勘違いしてるか知らねーが、兎に角真面目に掃除を…」
神「シャラップ!こちとら今大事な話をしてるところアル!!」
「いや、こちらとしてはクソみたいな話なんだけど…」
恐らく神楽はこのキラキラした瞳から察するに私と土方さんの関係をそういうことだと勝手に思っているらしい。「私、応援してるヨ!」とでも言いたげなその笑顔に、罪悪感が沸かなくもないが、これは神楽が勝手に勘違いをしているだけのことだ。私が謝るのもおかしい。が、このまま話が進むと非常に厄介だ。
「あのね神楽、冷静になってお願い。そんなんじゃないから。神楽が思ってるようなことにはならないから200%」
神「隠さなくても大丈夫ネ」
「いや隠してないし隠すものないし」
銀「あの、銀さんのこと忘れてませんか〜」
銀ちゃんのそんな声が聞こえたような気がしたが、私は神楽の誤解をとくのに必死になっていたため構っていられなかった。
神「そーいうことなら私も一肌脱いじゃうヨ!」
「脱がないでお願い。余計なことしないで一生のお願い」
両手を合わせて精一杯に懇願するが、神楽は「なんで?」とでも言うように首をかしげていた。純粋な女の子というのは中々に面倒なものである。
土「オイ、」
と、土方さんがなんとも面倒臭そうな顔をしながら私に耳打ちをする。
土「このまま此処にいんのは面倒だ。一旦戻るぞ」
「そうですね」
その言葉に賛同すると、私達はなんとなく頷き合う。
「じゃ、仕事に戻るんで」
土「次サボってたら追い出すからな」
そう言い残すと逃げるようにすたこらさっさと私達はその場から退避した。
銀「…」
銀ちゃんもまた、そんな私達の後ろ姿を見送っていた。
…その時銀ちゃんが何を思っていたのかは、本人にしか分からない。
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ピピコ(プロフ) - 悠さん!『忘れねぇよ』に続きこちらでもコメントありがとうございます!この作品はギャグもシリアスもお楽しみ頂けるものにしているつもりなので、そう言って頂けると嬉しいです!長ったらしく続いておりますが、引き続きお楽しみ頂けたら幸いです! (2017年8月9日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とても面白かったです!特にギャグの部分が好きです。トリップの話は今回初めて読みましたが、感動しました!これからも、頑張ってください!応援しています!ピピコ様の書く小説大好きです! (2017年8月9日 16時) (レス) id: 7d25b2e8fd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - オロナミンCさん» そんなに誉めて頂けるとは…!!感激です!ギャグとシリアス、どちらも楽しんで頂けているなら幸いです!!これからも笑いあり涙ありを目指して頑張らせて頂きますので、少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです!ありがとうございました!! (2017年7月29日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
オロナミンC - ギャグもシリアスもちょうどいいぐらいにあってとても読みやすく面白く感動します。楽しく読ませていただきました。 (2017年7月29日 17時) (レス) id: e86c711444 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - いちごみるくさん» 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しい限りです!これから少しずつ物語が動いてくるので感動できるものを書けるように頑張ります!ありがとうございます!! (2017年5月3日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年4月19日 11時