さらば、卵かけご飯 ページ43
「…そんなもんで、その……邪魔はしないようにするんで、お願いします助けてください本当にヤバイんです卵かけご飯はもう嫌なんです!!」
土「お、おぉ……」
「あり、立場逆転してらァ」なんていう沖田の嫌な言葉と共に憎たらしいまでの笑顔が飛んでくる。が、それすら無視して私は頭を下げる。そんな様子に土方さんも少々引いているらしい。そんな顔をされても困る。私は悪くない。報酬をパチンコなんかに貢いだそこの天パが悪い。
「お願いしますホントに助けてください」
土「…な、なんか悪いな、なんか……」
悲壮感漂う私に土方さんは謎の謝罪を口にした。なんか悪いってなんだよ。まぁそんなことはどうでもいい。恥を捨てようと私達はこの地獄のような金銭問題を打破しなくてはいけないのだ。
土「……ハアア……わかった。そこのバカ面はともかくお前の誠意だけはわかった」
銀「誰がバカ面だ誰が」
大きな溜め息と共に土方さんはそう確かに口にした。バカ面の銀ちゃんが土方さんにまた噛みつこうとするので着物の襟首のあたりを引っ張って制止させる。
土「…ったく、邪魔だけはすんなよ」
「ありがとうございます…!!」
少し不本意そうだがそう言うと、踵を返して屯所内へと消えていく。
新「よかったぁ〜……これでなんとかなりそうですね!」
「さらば!卵かけご飯!」
新八と一緒にこの快挙を讃え合う。「私は卵かけご飯でいいけどナ」という神楽と「クソマヨネーズ野郎が」とぶつくさ言う銀ちゃんは大変面倒臭そうだったが。
…そんなこんなで、私達万事屋は数日間、真選組にて働くこととなったのだ。
*
「あら、貴方達が助っ人さん?」
「は、はい…!よろしくお願いします…!!」
と、私は目の前に立つ女性に頭を下げた。私よりも少しばかり年上だろうその人は、そっか!と言うと、両手を腰に当てた。
光「人少なくて大変だったから助かるわ〜、私は二見光。よろしくね!」
と、二見さんというらしいその人は私に手を差し出した。条件反射で私もその手に自分のを重ねる。
銀「めんど……」
とかなんとかほざく銀ちゃんの脇腹を肘で思いきり突き、「こちらこそ〜」と笑顔を作る。
しょっぱなから不安でいっぱいである。
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ピピコ(プロフ) - 悠さん!『忘れねぇよ』に続きこちらでもコメントありがとうございます!この作品はギャグもシリアスもお楽しみ頂けるものにしているつもりなので、そう言って頂けると嬉しいです!長ったらしく続いておりますが、引き続きお楽しみ頂けたら幸いです! (2017年8月9日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とても面白かったです!特にギャグの部分が好きです。トリップの話は今回初めて読みましたが、感動しました!これからも、頑張ってください!応援しています!ピピコ様の書く小説大好きです! (2017年8月9日 16時) (レス) id: 7d25b2e8fd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - オロナミンCさん» そんなに誉めて頂けるとは…!!感激です!ギャグとシリアス、どちらも楽しんで頂けているなら幸いです!!これからも笑いあり涙ありを目指して頑張らせて頂きますので、少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです!ありがとうございました!! (2017年7月29日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
オロナミンC - ギャグもシリアスもちょうどいいぐらいにあってとても読みやすく面白く感動します。楽しく読ませていただきました。 (2017年7月29日 17時) (レス) id: e86c711444 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - いちごみるくさん» 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しい限りです!これから少しずつ物語が動いてくるので感動できるものを書けるように頑張ります!ありがとうございます!! (2017年5月3日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年4月19日 11時