風紀 ページ42
Aside
土「……オイ総悟、こりゃどういう事だ。説明しやがれ」
現在地、真選組屯所。木製の大きな建物が私達の目の前に聳え立っていた。あまりにも立派なその場所に流石は警察……と感嘆の意を溢した。なんだろ、貫禄があるというかなんというか。そんな感想を抱いた。
漫画で見た通りだ、なんて呑気なことを思っていたのも束の間。いいタイミングでその大きな門からタバコを片手に出てきたのは、真選組副長、土方十四郎だった。そして、先程の台詞に戻る訳である。
沖「どういうことも何も、助っ人でさァ」
土「聞いてねーぞ俺ァ。なんだって万事屋なんだよ」
なんとも嫌そうに顔を歪めながらに言う土方さん。それに銀ちゃんは噛みつくように言う。
銀「あ?んだよこちとらスーパー暇な所をこうして来てやったってーのによォ」
新「銀さん、なんか言ってることがおかしいです」
暇なのに来てやったってどういうことだ。私もそんな突っ込みを胸に、沖田の脇腹を肘でついた。
「ちょっと、説明してないの?」
沖「してねーよ。別に必要ねーだろィ」
「え、だってなんかそちらの副長さんご立腹だよ」
早くも銀ちゃんと土方さんは睨みあいを繰り広げていた。「こっちはテメーらになんざ頼もうなんざこれっぽっちも思っちゃいねーんだよ」「こっちだって望んで来た訳じゃねーよV字が。さっさと剥げろV字に」「剥げねーよテメーが剥げろ天パ」なんていう不毛な言い争いを見せてくれている。大人のやり取りとはとても思えない。
土「いくら女中が人出不足だとはいえ、コイツらはねーだろ」
沖「なんでですかィ、別に使えりゃあなんだっていいでしょうに」
土「屯所の風紀が乱れそうだ」
沖「そりゃもう乱れてるじゃねーですかィ元から」
土「テメーのせいでな」
青筋を浮かべた土方さんはなんとも不服そうだ。でもここで引き返す訳にはかないだろう、こっちだって金銭的危機が迫ってるんだから。
「あ、あの〜…」
と、私はバチバチと火花散る睨みあいをする二人の間に割って入り、遠慮気味に言う。
「えと……べ、別に嫌なら強要したりはしませんけど、こっちもその……ぶっちゃけお金の問題がアレでして…」
新「そこぶっちゃけますか」
神「だって本当のことアル」
後ろからそんな声が聞こえたが構わずに続ける。
230人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピピコ(プロフ) - 悠さん!『忘れねぇよ』に続きこちらでもコメントありがとうございます!この作品はギャグもシリアスもお楽しみ頂けるものにしているつもりなので、そう言って頂けると嬉しいです!長ったらしく続いておりますが、引き続きお楽しみ頂けたら幸いです! (2017年8月9日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とても面白かったです!特にギャグの部分が好きです。トリップの話は今回初めて読みましたが、感動しました!これからも、頑張ってください!応援しています!ピピコ様の書く小説大好きです! (2017年8月9日 16時) (レス) id: 7d25b2e8fd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - オロナミンCさん» そんなに誉めて頂けるとは…!!感激です!ギャグとシリアス、どちらも楽しんで頂けているなら幸いです!!これからも笑いあり涙ありを目指して頑張らせて頂きますので、少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです!ありがとうございました!! (2017年7月29日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
オロナミンC - ギャグもシリアスもちょうどいいぐらいにあってとても読みやすく面白く感動します。楽しく読ませていただきました。 (2017年7月29日 17時) (レス) id: e86c711444 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - いちごみるくさん» 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しい限りです!これから少しずつ物語が動いてくるので感動できるものを書けるように頑張ります!ありがとうございます!! (2017年5月3日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年4月19日 11時