【銀魂】空想世界が現実世界 3【坂田銀時】

分からない ページ12

「銀ちゃん？どーかした？」


という私の声を無視してソイツは未だ机の一点を見つめ続けている。返答もなしときた。……無視ですかコノヤロー。…なんか最近銀ちゃんに色々と影響を受けている気がする。口調とか文句の言い方とか。嫌になる。


そんなことを思いながら机を挟んで立っていたのを回り込み、銀ちゃんの隣に立つ。仏頂面で私の顔を見ようともしないソイツ。一体今コイツは何を考えているんだろうか。いつも掴み所がない奴だとは思っていたが。そしてそれがどうにも気になってしまうものだから厄介だ。


「ねぇ聞いてんの銀ちゃん」


と、銀ちゃんの肩に触れて少し揺らしてみると。


グイッ


「わっ…！」


その手は銀ちゃんの大きな手によって掴まれて引っ張られた。ビックリして目を閉じる。銀ちゃんの手って、私より一回りも大きいんだな、なんてことを触れた手から感じ、気休めに思う。


そしてそっと目を開けて見ると、予想以上に銀ちゃんの顔が至近距離にあって「うあっ」というなんとも情けない声を漏らしてしまう。

今の私の体制を説明すると、銀ちゃんが私の右手を左手で掴んでいて、私バランスを崩してほぼ銀ちゃんに身体を預けながら左手は銀ちゃんの座る社長椅子の背もたれに掛かっている。


……なんだこの状況は。


銀「…オイ」


「え、あ、はい。なんで、すか」


目をパチクリとさせていれば銀ちゃんから声が発され、私は謎に敬語を使ってしまう。あと少し近づけば唇が触れてしまいそうなほどの距離に、ドギマギとしてしまう。


銀「…楽しかったの。税金泥棒共と居て」


「は…？」


そんな事を聞かれ、私は首をかしげる。…楽しかった？


「…いや別に。どっちかって言うと面倒臭かったけど」


だから何？的な目線をソイツに送りつける。「楽しかったの？」ってどんな質問？別に楽しい事は何もないだろう。強いて言えば唐揚げが美味しかった。


「…で、銀ちゃんさ」


銀「あ？」


「……この体制は、どうにかならないもんですかね」


銀「あ…」


悪い、と私の右手はやっと解放された。触れていた箇所と頬に、熱が集まっているのは、気づかないことにして。


「どうしたの本当に」


銀「……別に」


自分は意味不明な質問しておいて私の質問にはエ○カ様風の返答しか返して来なかった。


…やっぱり私は、銀ちゃんがよく分からない。

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