面白い人 ページ23
彼女は俺に「面白い人」だと言った。けれど、どこらへんが面白かったのか、俺にはよく分からなかった。まぁ彼女が面白いと言っているのだからいいか、と納得して「よく言われる」なんて適当なことを返した。そんなことを言われたことはあまり記憶にないが、「変な人」だと言われたことは多々あるので同じニュアンスということにしておく。クスクスと笑う彼女を見ては、自然と頬が緩んでしまっていた。
けれど、一つだけ気になることがあった。とても些細なことだけれど、馴れない事柄が苦手な俺はついつい指摘してしまう。そこまで問題視するようなことでもないことを。
「あのよォ、その坂田さんっての、やめね？」
「え？」
「馴れねェんだよその呼び方」
彼女はよく分からないと言いたげに目を丸くさせて、俺がそう補足すると「そうなんですね」と頷いた。坂田さんと呼ぶ人間は少ない。一度の依頼でしか関わりを持たないような人間は俺のことを名字で呼ぶが、その他は銀時だ銀さんだ銀ちゃんだと、皆おのおの好きなように呼んでいる。彼女は少しの間考えるような仕草を見せて、それから口を開く。
「なら、何てお呼びしたらいいですか？」
「…好きに呼んでくれて構わねェよ。まぁ、例を言うなら銀さんとか銀ちゃんとかだな」
そう言うと、春樹さんは「銀さん、銀ちゃん…」と呟き始めた。どう呼ぶかを選んでいるみたいだが、それはそれで照れ臭かった。そして、うん、とひとつ頷いてから、じゃあ、と。白い布団に伏せていた視線を上げた。
「銀さんって、呼んでもいいですか？」
「…あァ、いいよ」
別に、わざわざ許可を取るようなものでもないのに。そう思いながら答えると「ありがとうございます」と微笑んだ。彼女は小さなことでもすぐに笑ってくれる。とても嬉しそうに、幸せそうに。
「…銀さん、あの」
「ん？」
「なら、その……私のことも、なんか適当に呼んでくださいね」
お互いに気軽な感じで、と。彼女は提案した。なんだか少しだけ恥ずかしそうにうつむきながら。口元をきゅっと結びながら。
「…ほら私、あんまり友達居たことなかったから…」
そういうのに、憧れていて、と。春樹さんはそう小さな声で囁くように呟いた。彼女の視線はベッドにある窓から注がれる光が作り出した影を見据えていて、その両手は布団をギュッと、弱々しくも確かな力で握り締めていた。
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ピピコ(プロフ) - 香織さん» 香織さん！ありがとうございます！！アニメ化…！！そんなに言って頂けるなんてめちゃくちゃ嬉しいです…！！現在最終章滑走中ですので最後までお楽しみ頂けたらなと思います！！これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！！ (2020年2月19日 15時) (
レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - おもしろかったです！なんならアニメ化してほしいくらい感動しました！投稿頑張ってください！ (2020年2月19日 13時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 麗華さん» お返事遅れてすみません…！！銀さんがたまにドギマギするのが個人的に好きなので(笑) 夢主ちゃんはそうですね、ふんわりとしたイメージの優しげなイメージです^^ (2018年3月27日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - こちらも面白いです！銀ちゃんの反応、たしかに面白いですよね！夢主ちゃんがとっても優しい！スゴいですよ！この世界にこんないい人いるかなって考えちゃいました！ (2018年3月24日 9時) (レス) id: b003dc750d (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - こちらこそお願いします！(o^―^o)ﾆｺ (2018年3月21日 23時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2018年2月16日 19時
