関係 ページ21
銀時side
何て書けばいいんだ、と。そう思いながら俺は頭をこねくり回していた。現在地は大江戸総合病院のロビー。面会をしに行くに当たってちょっとした書類を書かなければならないらしく、俺は面会受付の所に佇んでいた。貸し出しのボールペンを握り締め、小さな紙切れを睨み付けるように見据えていた。
書類といっても、そんなに大袈裟なものではないのだが、そこに書かなければならないことに俺は頭を悩ませていた。面会者、春樹A。名前の表記は確かこれで間違いないはずだ。けれど、その下。そこには、面会者との関係を書かなければならないらしく。何て書けばいいのか、分からなくなってしまった。
…関係、と言われても、会ったのは三日前が初めてで、俺は彼女の飛ばした紙飛行機を届けに行っただけという関係だ。そんなことを書いたって怪しまれるだけだ。きっと病室には辿り着けない。門前払いだ。なら、何て書けばいいのだろうか。ボールペンをなんとなく手の中でくるくるとしながら、俺は考える。そしてええい！と書いたのは「友人」という文字だった。
…友人。彼女とはきっと友人なんて言える関係ではないけれど、これが一番無難なやり過ごし方に思えた。それを書いて受付の女に手渡すと、無事面会の札を拝借することが出来た。それを首に掛け、俺は安堵の息をついた。
そうして、エレベーターで四階に上がり、401号室を目指す。通路の一番奥。その扉の前に立つと、俺は何故か深呼吸をしていた。緊張でもしているのだろうか。なんてことを思いつつ、扉をノックすると、中から「はい」と彼女の声が聞こえてくる。その声を聞いてから、俺は扉をガラガラと開け、病室に足を踏み入れた。
「…よ、よォ」
と、俺が右手をヒョイと上げながらにそう言うと、彼女は目を真ん丸く見開かせて俺を見据えた。「……坂田さん…？」と、驚きに満ちたような、少しだけ掠れたような声で囁くように俺の名前を口にした。恐らく、看護師か何かだと思っていたのだろう。俺の登場が予想外だったに違いない。
「また来てくれたんですか、紙飛行機にも当たっていないのに」
「そんなしょっちゅう当たって堪るかよ」
そんな高確率で当たっていたらキリがない。「暇だったから来てみた」と、俺はなんとなく頭をわしわしと乱しながらにそう言う。
「……来ちゃまずかったりしたか」
「…いいえ、嬉しいです、とても」
俺が問い掛けると、彼女は目を細めて、優しげに笑ってそう言ってくれた。照れ臭そうで、嬉しそうで、けれどなんだか、とても悲しそうな、泣き笑いみたいなそんな表情だった。
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ピピコ(プロフ) - 香織さん» 香織さん！ありがとうございます！！アニメ化…！！そんなに言って頂けるなんてめちゃくちゃ嬉しいです…！！現在最終章滑走中ですので最後までお楽しみ頂けたらなと思います！！これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！！ (2020年2月19日 15時) (
レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - おもしろかったです！なんならアニメ化してほしいくらい感動しました！投稿頑張ってください！ (2020年2月19日 13時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 麗華さん» お返事遅れてすみません…！！銀さんがたまにドギマギするのが個人的に好きなので(笑) 夢主ちゃんはそうですね、ふんわりとしたイメージの優しげなイメージです^^ (2018年3月27日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - こちらも面白いです！銀ちゃんの反応、たしかに面白いですよね！夢主ちゃんがとっても優しい！スゴいですよ！この世界にこんないい人いるかなって考えちゃいました！ (2018年3月24日 9時) (レス) id: b003dc750d (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - こちらこそお願いします！(o^―^o)ﾆｺ (2018年3月21日 23時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2018年2月16日 19時
