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何の時間だ ページ26




「なーんだぁ、じーっと死んだみたいな目で見てたから不審者かと思ったよ」


あんなところで見てないでこっちに来れば良かったのに、と。病室にあったパイプ椅子にAと並んで腰掛けていれば、ベッドに居る少女はさっきの警戒心がまるでなかったかのような人懐っこい表情で笑いながらそう言った。子供が苦手なわけではないが、幼い子供の相手をあまりしたことがないから、俺は変な笑みを中途半端に浮かべることくらいしか出来ない。それに少女は「その顔も変な顔ー!」と無邪気にケラケラ笑っており、俺の隣でもAはクスクスと笑っている。サイドテーブルには先程Aと少女が遊んでいたソフトフィギュアと、絵本が何冊か置いてあった。あと、暗転したテレビがある。Aの病室にもテレビはあるが、あまり使っていないのか画面が映されているところを見たことはなかった。

小児科ということで、病室も子供仕様になっているようだ。Aの病室は天井も壁も白いが、ここは派手まではいかなくともカラフルな感じになっている。小さな子供が入院したりすると、やはり病院であることから怯えてしまうこともあるだろう、そういったものを少しでも和らげるための雰囲気なのだろうと考えながら、見慣れない病室を見回した。

少女は耳の辺りで二つに束ねられた髪を揺らしながら「えっとねー、」と口を開く。さっきからマシンガンのように喋っているのだけれど。


「私は工藤茉莉花、6歳!」


唐突に始まった自己紹介。右手の指をすべて立てて、左手は人差し指をピンと立てて自らの年齢を体当たりで表している。元気がいいなと思いながら、俺は「さ、坂田銀時です」と何故か敬語で自己紹介していた。


「髪の毛と一緒なんだねぇ、銀色」

「あ、あァ…」

「触ってもいい?」


と、俺がいいとも悪いとも言わないうちにベッドに立ち、俺の頭をもふもふと撫でくり回している。俺はどうしたらいいか分からず真顔で黙っていた。こんなとき、神楽や新八がいたらどれだけ助かるだろう。


「いいなぁ、私も触りたいと思いつつ触ったことないのに」

「触りたかったのかよ」


羨ましそうに呟くAに思わず突っ込みをいれてしまう。すると、テヘ、と言ったように小さくはにかむようにAは笑って。


その笑顔に、俺は一瞬息を詰まらせてから、渋々といったように言う。


「…ちょっとだけだぞ」

「えっ、いいんですか…!?」


Aは目をキランと輝かせて立ち上がると、そっと俺の髪を撫でて、「わぁー、ふわふわ〜」と楽しそうにしていた。


…何の時間だこれ。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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ピピコ(プロフ) - 桜さん» 桜さん!ありがとうございます!!ここまで中々お話が進まなくてすみません!焦っている中そんな風に言って頂けてとても嬉しいです!これからキュンキュンを大量投下できるように頑張ります!!今後ともお楽しみ頂けたら幸いです!! (2018年11月24日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
- すごい面白いです。てか、キュンキュンします。最高です。更新頑張ってください! (2018年11月24日 21時) (レス) id: fcb91909ae (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 獅子の子さん» しーちゃんいつもありがとう!沖田隊長、シリーズでもコメントありがとう!いつも励まされてます!ちょっとでも誰かの心に響くものがあればいいなぁと思いながら書いてるから、そうなら嬉しいな!しーちゃんも色々忙しいと思うけど、しーちゃんのペースで頑張ってね! (2018年10月6日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - 君春続編おめんとさんです! ピー姉の小説は一文一文が丁寧で本当に尊敬しとります! ピー姉のペースで更新頑張ってね! (2018年10月2日 20時) (レス) id: 09ad90d8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 続編に参りました!!少しずつになるとは思いますが精一杯お話を進めていくつもりですので、お楽しみ頂けたらなと思います!!頑張らせて頂きますのでよろしくお願いします!! (2018年10月1日 19時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2018年10月1日 19時

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