確かにだ ページ2
「いーきーたーいーアールー!行きたいヨ銀ちゃん!」
今現在、いつもの社長椅子にふんぞり返ってジャンプを読んでいる俺の頭を何故かわしわしと乱しながらにそう駄々を捏ねるように言う神楽。行きたいからと言って何故俺の素敵なオシャレパーマをぼさぼさにする必要があるのだろう、まぁ嫌がらせなのだろうけれど。神楽の手を退けて俺は適当に乱れた髪を直す。鏡をわざわざ見に行くのはめんどくさい。机には置き鏡なんてもんはないし。きっとまだぼさぼさのままなのだろう頭を取り敢えずは放っておいて、俺は再びジャンプに視線を落とす。今週のぎんたまんのページをめくる。先週の続きから今週まで長かったような気がする。続きがずっと気になっていたのだ。そんな俺の素っ気ない態度が気に入らないのか、神楽はムゥッと頬を膨らませている。
が、視線は漫画に向いているものの、俺の意識はまったく別のところにあった。先週から楽しみにしていたはずなのに、内容が全然入ってこない。一応読んでるんだよスタンスを崩さないために一定の間をおいてからページをめくるようにしながら、俺の思考はぐるぐると回っていく。
…確かに。確かにだ。神楽や新八を連れていくとAは喜ぶ。俺は人との会話だとか話題だとかそういうものに乏しいわけではないのだが、彼女を前にするとたまにどんなことを話せばいいのか分からなくなる。それで、結局は俺の身の回りでの出来事。つまりほとんどが神楽や新八の話になってしまうのだが、神楽の場合は話題が途切れることはないし、新八もそれに出遅れることがないしその中で突っ込みも炸裂させたりしているから、会話にも弾みがついてAも楽しそうにするのだ。
神楽の言う通り、一昨日と昨日は病室に顔を出していないからそろそろ行こうかと考えていたところだ。因みに言っておこう、一昨日は仕事があったのだ。江戸の民家の雨漏りを直すという仕事が。大事なことなのでもう一度言っておく。仕事だったのだ。
……ガキ共を連れていくとAが喜ぶ。だが、だがしかし…。
「まぁまぁ神楽ちゃん、銀さんだってAさんとゆっくりお話がしたいんだよ」
最近は毎回僕達も一緒だったから、あんまり話せてなかったじゃない、と。読者側からは分からなかっただろうがソファーに腰掛けてお茶を飲んでいた新八が神楽にそう呟く。俺はそんな眼鏡の言葉にふっ、と顔をあげる。神楽は新八を一瞥してから、そうしてにんまりとした笑みを見せた。明らかに善意から現れたものではない笑みである。新八も何やらにこにことしている様子で。
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ピピコ(プロフ) - 桜さん» 桜さん!ありがとうございます!!ここまで中々お話が進まなくてすみません!焦っている中そんな風に言って頂けてとても嬉しいです!これからキュンキュンを大量投下できるように頑張ります!!今後ともお楽しみ頂けたら幸いです!! (2018年11月24日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごい面白いです。てか、キュンキュンします。最高です。更新頑張ってください! (2018年11月24日 21時) (レス) id: fcb91909ae (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 獅子の子さん» しーちゃんいつもありがとう!沖田隊長、シリーズでもコメントありがとう!いつも励まされてます!ちょっとでも誰かの心に響くものがあればいいなぁと思いながら書いてるから、そうなら嬉しいな!しーちゃんも色々忙しいと思うけど、しーちゃんのペースで頑張ってね! (2018年10月6日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - 君春続編おめんとさんです! ピー姉の小説は一文一文が丁寧で本当に尊敬しとります! ピー姉のペースで更新頑張ってね! (2018年10月2日 20時) (レス) id: 09ad90d8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 続編に参りました!!少しずつになるとは思いますが精一杯お話を進めていくつもりですので、お楽しみ頂けたらなと思います!!頑張らせて頂きますのでよろしくお願いします!! (2018年10月1日 19時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2018年10月1日 19時