２人の時間は交わらない【朔間零】【完】

時間が重なる日まで ページ33

２人の時間は交わらない



だって二人の体質は真逆だから、夕方ごろ…少しの時間だけの逢瀬
それでも当人たちが幸せそうに過ごすから、周りはそれをただ静かに見守るだけ


そんな中でも、少しの変化はあって



A)零〜ジャズしよージャズー



零)おぉ。１８時半を過ぎても起きておるのかえ



A)プロデュースやってる気分でいると起きてられるのです


零)毎日それじゃ疲れるぞ？ほれこっちにおいで、今日くらい休むがよい


A)えー零の隣は座りたくない




嫌がる彼女を見て朔間は双子と目を合わせる。するとササっと双子が彼女の脇をつかみ強制連行
零の隣に落ち着くと



A)んぅ…





彼女は眠りについてしまう



ひ)あはは。朔間先輩ぜんぜん意識されてない



ゆ)まだまだ大変ですね


零)そうじゃのぅ、いつになったら男と気づいてくれるのか…あぁそうじゃ、葵君たちやちょっとつかいを頼まれてくれんか


ひ)いつものだね〜



ゆ)わかりました！アニキ、日直で残ってるだろう大神先輩にもてつだってもらおう




ひ)いいねいいね！




双子はおそろいのデジカメを持って部室を飛び出した。
つかいというのは、眠ってしまう彼女への何げえないプレゼントだ
写真に、動画に残しておけば起きているときに話してあげることができる


体質はそう簡単に治るものじゃない。それでも彼女が乗り越えようとするなら、止めはしない
ただ少し休ませるために行動してあげる



彼の彼女に対する思いはまだ届ける時期ではなさそうだ




零)まだその位置は高峯君にお願いしようか。我輩の凛月に対する気持ちと変わらんAの思いに横やりはしない
けど
…おれはそこまで待てねぇからな、早く気づけよA






零は己に寄りかかって寝息を立てる彼女の髪をすくい上げキスを落とし、目を閉じた






２人の物語はもう少し延びるようです

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