重なる秒針 ページ32
五時限目の本鈴が鳴ってる中、私は軽音部部室前に立っていた。
いい加減向き合わないと…時間が過ぎるだけで焦るこの気持ちが荒波に飲まれてしまってる
私たちに、あと一年はないから…向こうはわかんけど
私には、もう一年ないから
いつもより重く感じるドアを開いた
瞬間、優しい風が髪をなでる
零)来たか…そろそろかと思ったわ
A)…本当、そういうところ
私が焦る一つの要因なんだけど…と思わず苦笑が漏れる。この時間でも夜の時間でも、この人何でも知ってる。さっきまで寝ていたというのに大体知ってる
私の知らないうちに、あなたはどんどん先に行ってしまう。…それが怖くて
目の当たりにしたくなくて、私は逃げた
ギュっ
A)!?朔ちゃん?
零)”零だろ、A”
A)っ…
零)何を思ってるかは知らん。じゃがA。ちゃんとこの手の触れる距離に我輩はおる
安心せい。後輩たちは必然的に、一時的とはいえ置いて行ってしまうことになるが
…あんただけはちゃんと連れて行く。知らないからと一人でもがかなくていい
我輩と共有しよう
零の言葉が心にしみわたっていく。暖かいものをくれる
へんだね、私の手と重なっている零の手は悲しいくらい冷たいのに
こんなにも私の焦る気持ちを溶かしてく
ポタポタ床が何かでぬれた
…私の涙だ
A)もう、一人にならない?
零)馬鹿じゃのう…Aは最初から一人じゃなかろうが。そんなところも愛おしいじゃが
A)ありがとう、零
私は涙をぬぐってくれた零に抱き着いた
零は優しく抱きしめ返してくれた
今はそれだけでじゅぶんだ
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みかん(プロフ) - こんにちは!零さん大好きなのでめっちゃ嬉しいです!頑張ってください!! (2017年2月5日 21時) (レス) id: cfa35ce5e5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 待ってました!ついに♪護♪さんの零さんが読めて非常に嬉しいです(≧∇≦)更新はゆっくりでもいいので頑張ってください。楽しみにしていますm(__)m (2016年11月6日 11時) (レス) id: 634277a129 (このIDを非表示/違反報告)
あやまりキノコ(プロフ) - 待ってたよー!うん、今回も流石だね!!特にせないずがいい!!頑張って!!メッチャ楽しみにしてるー♪ (2016年11月6日 1時) (レス) id: 37adbc588c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪護♪ | 作成日時:2016年11月5日 23時