14話 ページ16
｢はあはあ…。あ、危なかったあ…｣
玄関に駆け込んだわたしはヘナヘナとその場に座り込む。
家からそう遠くない所だったとは言っても、普通に歩けば十五分は掛かる道のりを半分の七分ほどで着くくらいのペースで走ったので、かなりきつい。
それでもなんとか呼吸を整え、よろよろと立ち上がり靴を脱ぐと二階にある自分の部屋に向かう。
わたし以外誰も居なくて静かな家にいつもならほとんど聞こえない様な、階段を上る音が響く。
一人だという事を改めて実感し、少しだけ寂しさが込み上げてくる。
そんな感情を振り切る様に勢い良く部屋のドアを開けバフッとベッドに飛び込んだ。
｢…お父さん達も、叔父さんの学校に入れてもらえる様に頼むんじゃなくて家にお邪魔させてもらえる様にしてくれたら良かったのになあ｣
日本に残るっていう事自体わたしのわがままなのに、あまりにも勝手すぎる考えなのかもしれないけど、普通は男子校に入れさせてもらうって考えよりもそっちが先に思い浮かぶんじゃないかと思う。
まあ、叔父さんとはそんなに関わりも無いし、それはそれで困る事も多いのかもしれないけれど。
｢…それにしても男子校だなんて…。今は良くてもまた問題が起こるんじゃないかな…｣
わたしは男の子をいらつかせやすいらしいから。
｢昨日は朝から学校説明の資料が風で飛ばされちゃうし、新しい靴のせいで何回も転んじゃったし…。まあ、資料は全部拾えたから良かったけど…。おまけに勉強だってちょっと予習と復習をしなくなったら直ぐに解らなくなりそうなくらい難し…ってああっ！ 忘れてた！ 昨日、一週間後にテストがあるって言われてたんだった！」
こんな事をしている場合ではないと飛び起き、早々と着替えを済ませ、机に向かい机の上に置かれた写真に目を向ける。
それは、旅行した時にとった、お母さんとお父さんとわたし、そして良友ちゃんいわく「髪の色と長さ以外全部同じってくらい似てる」らしいわたしの弟、輝の家族写真。
「頑張らなきゃね…」
写真に向かいそうつぶやいてから復習と予習に加え、テスト勉強を始めたわたしからは、さっきまでの鬱々とした気持ちはすっかり消え去っていた。
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雷暗(プロフ) - 佐久間 凛さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！！ありがとうございます(^^)今年は受験生のためあまり更新できないかもしれないですが、頑張ります！！お返事ものすごく遅くなってしまい、すみません> < (2018年6月17日 21時) (
レス) id: 7abb023d07 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間 凛 - このお話好きです！遅くなってもいいから更新してほしいです！頑張って下さい！応援しています！ (2018年4月28日 14時) (レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
雷暗(プロフ) - あべかわもちさん» お返事遅くなってすみません！応援ありがとうございます！はい、では、早速読みにいかせていただきますね！ (2017年8月14日 14時) (レス) id: 7abb023d07 (このIDを非表示/違反報告)
あべかわもち(プロフ) - すごく面白いです！これからも応援してます！もし宜しければ、私の作品にコメントをいただけませんか？ (2017年8月6日 16時) (レス) id: 7761ff91c5 (このIDを非表示/違反報告)
不鬼+273(プロフ) - ばれていましたかwはい!!273は綱海にーにです!!にーにも好きなんですよ(笑)キャストに、よっちん(吉野裕行)の名前が無かったので諦めていましたが、『きどう』っていう発言があって少し安心しました(笑)いえいえ、返信ありがとうございます(^^*) (2016年8月23日 23時) (レス) id: abe0909135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雷暗 | 作成日時：2016年3月30日 0時
