10話 ページ12
｢あれー？ 皆さんおそろいでどうしたんですか？｣
不意に後ろから声を掛けられふり向くと、一年サッカー部一軍メンバーの洞面秀一郎が不思議そうな顔をして首をかしげていた。
一軍メンバーの二年生が全員集まって、廊下の真ん中に呆然と立ちつくしているのだから無理もないだろう。
｢あ、ああ、いや…｣
｢お、洞面じゃん。洞面も一緒に昼メシ食いに行こーぜ｣
寺門が答えに困り言葉をにごすと成神が俺達の間から顔を出す。
｢あ！ 成神もいたんだー！ ん？ そのとなりの人って…｣
｢そっ！ この人が昨日転校してきたAちゃん！｣
タッタッと成神達の正面にかけよった洞面の興味は影山に移ったらしく、キラキラとした目を彼女に向ける。
｢は、はじめまして！ 影山A、です！ よろしくね｣
｢はじめまして！ 確かに、成神の言う通り可愛い人だなあ。ボクはサッカー部一年の洞面秀一郎です！ よろしくお願いしまーす！｣
背筋をピンと伸ばし、緊張した様子の影山とは対照的に、緊張した様子などいっさい見せず人懐っこい笑顔で話す洞面。
それにしても、興味が他に移ったからといって先輩に質問しておきながら答えを気にしないどころか、俺達そっちのけで会話を始めるところといい、さらりと可愛いなどと言って影山の顔を赤くさせても気にもとめない(というより気づいてすらいない)ところといい、本当にマイペースな奴だと思う。
これで一年の学年首席というのだからおどろきだ。
｢てかさ、なんでまだ昼メシ食いに行かねーの？｣
｢ほんとだー。早く行かないと時間なくなっちゃいますよ？｣
｢…お前らが話してたからだろ｣
こちらをふり向き悪びれる様子もなくたずねた洞面達に対して、咲山が放った言葉は俺達九人全員の気持ちだったと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷暗(プロフ) - 佐久間 凛さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！！ありがとうございます(^^)今年は受験生のためあまり更新できないかもしれないですが、頑張ります！！お返事ものすごく遅くなってしまい、すみません> < (2018年6月17日 21時) (
レス) id: 7abb023d07 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間 凛 - このお話好きです！遅くなってもいいから更新してほしいです！頑張って下さい！応援しています！ (2018年4月28日 14時) (レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
雷暗(プロフ) - あべかわもちさん» お返事遅くなってすみません！応援ありがとうございます！はい、では、早速読みにいかせていただきますね！ (2017年8月14日 14時) (レス) id: 7abb023d07 (このIDを非表示/違反報告)
あべかわもち(プロフ) - すごく面白いです！これからも応援してます！もし宜しければ、私の作品にコメントをいただけませんか？ (2017年8月6日 16時) (レス) id: 7761ff91c5 (このIDを非表示/違反報告)
不鬼+273(プロフ) - ばれていましたかwはい!!273は綱海にーにです!!にーにも好きなんですよ(笑)キャストに、よっちん(吉野裕行)の名前が無かったので諦めていましたが、『きどう』っていう発言があって少し安心しました(笑)いえいえ、返信ありがとうございます(^^*) (2016年8月23日 23時) (レス) id: abe0909135 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雷暗 | 作成日時：2016年3月30日 0時
