花のちる前に

10話 ページ12

〜貴方side〜

あれから家に帰って来ました。

私は一人暮らしなので、勿論家には誰もいない

私が家を出たのは、これ以上両親の苦しむ姿を見たくなかったからだ

両親は共働きで帰りはいつも遅かった

ここ数年は、忙しいせいであまり顔を合わせていない

昔は違った

家に変えればお母さんがいて笑顔で「お帰り」と言ってくれた。

お父さんだって、仕事が忙しくていつも帰りは遅かったけど、家族でいる時間を作ってくれていた。

でも、

『全部、全部、私のせいだ....』

私ががんになって、高い治療費がかかるようになった。

あれから、両親はお金を稼ぐために今の用な状態になった。

そんな両親の姿を見るのが辛かった

私のためだって分かってる

けど、

『私がﾀﾋぬ運命は変わらないんだよ...』

どんなに頑張ったって私はいなくなる

それは何をしても変えられない

私は普通に生きたかった

仲の良い子とたくさん話して

バカみたいに笑い合う

そんな日々を過ごしたかった

同情何かいらない

可哀想だなんて思われたくない

『ただ私は....』

自分の部屋に入り制服を着替える

体じゅうアザだらけだった

『あんだけやられれば、ねぇ...』

余命一年と言われたあの時決めた

最後のこの一年は後悔しないよう、悔いの残らないように生きよう...と

『あの時決めたはずなのになぁ....
　高校始まったばっかなのに、もう失敗しちゃった.....』

止まっていたはずの涙がまた溢れだす

『なんで生きてんだろ....こんなんなら、余命一年なんて期間要らないよ....私なんかいなくなればいいよ。』

そうすれば、今までの悲しみや苦しみも消えるでしょ?

両親だって苦しまない

ねぇ、

なんで私は生きてるの?





お願い





誰か、









『教えてよ....』

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