38.ru ページ38
今日は朝から気分が悪い。
ラウ子の分だけ用意されなかった朝食や、あからさまに綺麗に分けられた食器や衣類にも腹が立った。
極めつけはお弁当。
放置されすぎてパサパサになってしまっていた。
せっかくお母さんが作ってくれたお弁当なんだから、美味しく食べたかった。
そのことを同じクラスの尚大や皇子に愚痴ってみたりしたけれど、真ん中っ子と長女の二人にはいまいちピンとこなかったみたいだ。
末っ子も大変なんだってば。
家に帰ってからも、お姉ちゃんは絶対にラウ子の方を見ようとしなかった。
それどころかラウ子のお弁当箱を洗ってもくれなし、おやつの準備もしてくれない。
だけどここでラウ子が折れるのも違う気がする。
だって悪いのはお姉ちゃんだもん。
ラウ子にこんな意地悪するなんて、お姉ちゃんのほうがよっぽど子供じゃん。
夕飯の時間になり、ラウ子以外の三人が席に着いたのを見計らってわざとらしく食事室に顔を出した。
当然ラウ子の分の食事は用意されていない。
戸棚を開けるとポテトチップスとポッキーを見つけたので、それらを持って自分の部屋へと退散した。
これでどうだ、蓮くんはともかく翔太くんはラウ子の味方になってくれるでしょう？
お姉ちゃんに意地悪されて、夕食にお菓子を食べるしかない可哀想な妹の出来上がりだ。
部屋の鍵をかけて、ポテチの袋を開ける。
ラウ子の好きなコンソメ味の良い匂いがする。
ポッキーの箱も開けて、これで準備万端。
甘いのと塩辛いのを交互に食べる幸せは、しばしラウ子の憂鬱を忘れさせてくれた。
なんだか贅沢している気分。
お姉ちゃんの料理より、こっちの方が何倍も美味しいもんね。
苦手な野菜を食べるように強要されることも無いし、お姉ちゃんがラウ子のお姉ちゃんを辞めてくれて本当に良かった。
ラウ子にはお兄ちゃんが二人もいるんだから、お姉ちゃん一人くらい減ったって痛くも痒くもないんだから。
これからは自由だ。
ラウ子は自由だ。
もしもパパやママが何か言ってきても、『お姉ちゃんが悪い』って言っちゃえばこっちのもんだ。
どうだ、悔しいか。
ラウ子を怒らせたら怖いんだぞ。
お姉ちゃん、泣いて謝ってきても許してなんかあげないんだからね。
さぁ、食事も終わったことだし洗濯でもしますか。
朝、どっかの誰かさんがわざわざラウ子の分を綺麗に分けておいてくれたみたいだし。
お菓子の残骸をゴミ箱に突っ込んで、部屋を出た。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
