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new world ページ38
『キキキキキーーーーーー』
最後は滑り込むようにバイクを傾けて止めた雅紀。
その背中をパシっと叩く。
「運転荒すぎるだろ！死ぬぞ！」
虚勢を張って怖かったとは言わず
文句を言ってみたが。
「だいじょーぶ。死なないから。」
そうなんだ。
俺たちはもう死ぬことはない。
だが怖いもんは怖いだろ。
足に力が入らねぇじゃねぇか。
「しょーちゃん。
生まれたてのバンビみたいじゃん。」
そう言いながら颯爽とメットを取って
髪をかき上げる雅紀の美しさに思わず見惚れてると。
「よろよろしてないでとっとと行くよ。」
腕をつかまれ走り出す。
１分１秒でも早く。
雅紀の猛スピードに
この日を待ち望んでた気持ちを思い出したぜっ。
そうだよ。
バイクが怖かったなんて言ってられねぇな。
早く。早くステージに立ちたいんだ。
あの光の海に。また。
「俺はバンビじゃねぇ！鹿だ！
うおおおおおお！！」
そう思い込めば本当に鹿の足になるこの世界。
逆に雅紀を引っ張って走る。
「ひゃははっ！しょーちゃん早いっ！」
あっという間に楽屋に着いて扉を開けると。
「嘘だろっ！」
すでに３人が衣装に着替えてスタンバってた。
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作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
