dream seeker ページ24
「ごめんな、折角考えてくれたのに。」
「ううん、こっちこそ怖がらせてごめんね。
でもさ、番組的にはよかったみたいだよ。」
ああ、確かに。
遠巻きに撮影してるスタッフたちが
クスクス笑ってやがる。
俺のビビリ具合が収められて満足そうだな。くそっ。
「わあっ！」
あ！急に風が吹いて
スタッフの帽子が飛んで木に引っ掛かった。
俺を笑ったバチがあたったな。ふふん。
そこは手を伸ばしても取れないぜ。
そうそう、
ジャンプして何とか取れる高さだ。
頑張れよーーははははっ・・・ん？
あれ？？
ぴょんぴょんジャンプしてる姿に見覚えが・・・。
おいおいっ！なんだよっ！
スタッフと思ってた3人はあいつらかよ！
人間の姿にも変身できるんだな！
って、感心してる場合じゃない。
だっておかしいだろ。
これは何の撮影だ？ってことになる。
もしかしてニセ番組？
スタッフはあいつら3人だけだもんな。
じゃあ何のためにニセの撮影をしようとしたんだ？
・・・・って。
マジで俺へのお仕置きのためのカモフラージュ？！
そうだよ。
そうとしか考えられない。
おいおい冗談じゃないぞ。
今ここで阻止してやる！！
「おい。」
「わー！翔ちゃん！シーっシーっ！」
「大丈夫だよ。
雅紀なら今電話しに行ったから。
それよりこれはどういうことだニノ。」
「どうってねー。
心配でついてきたんですよ。」
「心配？
俺へのお仕置きじゃなくて？」
「お仕置き？何の話？？」
へ？ニノのキョトン顔。
嘘じゃなさそうだな。
じゃあ、もしかして
お仕置きなんて初めからない？
ナッシング？？
だったらずっとビビってて損したな。
「はははははっ。」
「しょーくん。」
智くん？
「楽しそうだね。」
あれ？なんかちょっと怒ってる？
「この前言ったでしょ。
いつまでも、あると思うな、この世界。」
「う、うん。」
「のんびりしてたら後悔するよ。」
このマジな顔。
もしかして期限が迫ってるってこと？
なんだよ。
生前と同じく結ばれなくても
ここでずっと雅紀のそばにいたいって願いは
叶わないのかよ。
くっそー。
いや、諦めるのは早い。
折角もらったチャンスだ。
他に手立てはないか探れるだけ探ってやる。
「このまま俺が変わらなかったら？」
「魂が消える。」
「っ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
