the deep end 【SA・完結】 (ページ12)

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stay alive ページ12

俺にどうしろって言うんだ。

禁欲生活が嫌なら告白しろって？

はっはー残念でした！

あの程度の電流、
番組で経験した罰ゲームほどでもねえ。

ちょっとした痛みが寧ろ快感につながっ・・。

いや、俺はＭじゃない。

雅紀を想う気持ちを発散させるには
ちょっとぐらいの痛みは耐えられるよってことだ。うん。

だがしかし。

空しさが増幅されるのはあの頃と同じだな。

そして雅紀と対面すると罪悪感が襲ってくるのも。

ごめん、雅紀。

勝手におかずにしちまって。

おまえ相手にいやらしい想像をしてるなんて
微塵も思ってないだろ？

思ってたらその笑顔は俺には向けられないもんな。

『嘘に染まった人生』

その通りなんだよ。

俺は気持ちを隠すために嘘を重ねてきた。

嘘をつくことに何も抵抗を感じないほどにね。

今日もさ、収録終わりに

『メシでも食べない？』

軽い感じで誘ってみたが
数日前から店を予約してワクワクそわそわ。

行けなかったら凹むなーと思うほど楽しみにしてた。

『いいの？
当日に予定入れない派でしょ。』

なんて。

俺のことをわかってくれてることに密かに喜んで。

『うん。
ドラマの撮影で予定が組みづらかったから
事前に誘えなかったけどさ。
折角会うんだし行きたいと思ってたんだ。
で、
このあと仕事が入らなかったから行けるけど
雅紀はどう？』

仕事が入らないように
何とかしてもらったことは内緒だ。

『本当？！
おれも行きたいと思ってたけど
しょーちゃん忙しそうだからさ。
無理なんだろうなって思ってたんだ。
誘ってもらえてうれしいよ！』

アガることを言ってくれちゃった雅紀に
『友よ！』
なんて言いながらガッシリ抱きついたのは
収録中から触れたくて仕方なかったから。

だってさ、
若い頃の雅紀にまた会えるなんて
バチクソ嬉しいんですけどーーー！

ありがたいことに俺たちは
10代の頃から沢山の映像が残されてるから
死ぬまで見続けてたけどさ。

映像じゃないんだぜ。

生雅紀。

感動的に美しい。

年齢を重ねたからこその
大人の色気ってやつにクラクラくる。