【短編集】立ち話。【実況者】

甘 Ky 嫌よ嫌よも ページ23

私はタイツが嫌いだ。

トイレ行くのが面倒くさいし、お腹まで履くのが嫌だ。


なので、膝丈のスカートなどを履くときは、ニーハイで誤魔化している。

ミニスカートは誤魔化せないから、タイツだけど。



私の彼氏であるキヨ。
キヨは、ミニスカートにニーハイなどのあからさまな狙った感じが、あまり好きじゃないと言っていた。

ニーハイがあまり好きじゃないんだと思う。
なので、私がニーハイを履いているのは隠していきたい。



「っあーのぞみーるやっべえわ」

『えー私は桐谷さんの方がいい』

「いやどっちも可愛いけどさ」

『てかキヨ彼女の前で写真集見るのもう少し控えてよ』

「…ごめん」


今日はキヨの家でデート。
お互いゴロゴロとしている。


ごめんだなんて、やけに素直だな。


「やっぱ久しぶりに見るとさ、
…Aが一番だわ」

『！？
キキキヨ熱あるんじゃない！？』


恥ずかしがって、いつもそういうことは言わないのに。


「あ、照れてる？」

『うるさいキヨもでしょ』

「ちっげーし」


キヨが写真集をやけに食い入るように見ているのは、照れ隠しだったりするのかな。

そのあと少ししてから、キヨの寝息が聞こえてきた。

彼女来てるのに寝るか普通！？
まあ、安心されてるのかなあ。


床で寝ているキヨに近づいてみる。


横に正座して顔を覗き込む。
本当に綺麗な顔してるなあ…


頬に触ろうとして、手を伸ばした、その時。



『ぅ、わぁ！？』


キヨにその手を掴まれた。


「A超積極的じゃん」

『違うよバカ！
寝たふりとかずるい』



そのまま手を引っ張られて、思わずキヨのお腹に、十字になるような形で倒れこんだ。



え、待って、今、太ももが…



「…！？A…」



両手をまとめて片手で掴まれて、抵抗ができなくなった。

顔だけ捻ってキヨを見ると、キヨは私の下半身に視線を向けていた。


やっぱり、スカート捲れたよね。ニーハイばれたよね。



『…キヨ、ニーハイ、ごめん』


「…」


若干涙が出てきたけど、キヨに両手を拘束されていて、拭えない。

やっぱり面倒でもタイツにすればよかった…



「…やっぱさ、
ニーハイ俺嫌いなんだわ。うん。
でも、俺めっちゃキモイけどさ、


正直、超ムラムラしてる」


『へ、？は？』

「Aのニーハイやべぇわ」


『いや、キヨ、キヨ？』



「ごめん、抱かせて」



謝っている割に、手つきが強引で、格好いい。


ニーハイは意外と、彼のツボなのかもしれない。

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