彼の懇願 ページ20
「……欲しいか？」
目の前に座り震える男に、耳元で優しく囁く。しかしコイツの本当の相手は吉良であって、俺ではない事はずっと前からわかっている。
前は薬のせいと片付けても、今回ばかりは素面で我慢が出来なくなってるみてーだな……
発情期の雌を目の前にした気分だ。
鬼羅「っ……！！」
鬼羅は疼きが止まらない事に真っ赤になって涙目になりながら首を横に振っている。
そのまま時間が過ぎるのも億劫なので、長い溜息を吐いてから鬼羅の首に勢い良く注射器を刺した。
「これで理由付けはできたぜ……言ってみな」
かなり弱い薬を打ち、身体を火照らせた。
弱い薬な事に動揺してるな……どうせ疼きも治まりはしねぇ。
それにコイツはいつも、建前でも良いから……楽になろうと考える。
そしてトサリと胸に縋り付かれ、震える声で懇願される。
鬼羅「ッ……もうそろそろ、限界、なんだ……！」
「全く……なんて顔してやがる……ッ！」
相変わらず馬鹿みてぇに下手なやつだ……強請るのも、我慢するのも。
そして次の日、俺達の身体が覚えていたのは正に獣のように貪りあった事だけだった。
俺には背中に引っ掻き傷が、鬼羅にはありったけの噛み跡が。
それでも心だけは……繋がらないのが不思議で仕方がなかった。
続く
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クレハ(プロフ) - 吉良さんのこういう小説探してました！好きです！！(挨拶) (2021年2月2日 23時) (
レス) id: 6ce257c963 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - りかさん» コメントあんがとーりっちゃん！嬉しいわぁ (2019年5月18日 22時) (レス) id: 1cedb7d748 (このIDを非表示/違反報告)
りか(プロフ) - 好きすぎてたまんないです... (2019年5月18日 22時) (レス) id: da7a0168c5 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 神奈さん» ありがとうございます！Ｒ１８も初めてなのでとても励みになります(´TωT｀) (2019年5月13日 23時) (レス) id: 1cedb7d748 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 待っていました！こんな展開を！ (2019年5月13日 23時) (レス) id: 52ff0406e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2019年5月13日 23時
