私は泉鏡花【文豪ストレイドッグス】

紅葉様と私７ ページ8

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「このまま帰るのも惜しいし、この前私が話していた甘味屋に寄ろうかのう…。｣


子供めいた笑みを浮かべ、私もつられて笑った。
私は紅葉様の唯の世話人。


はい。と言える権利も、いいえ。と言える権利も持ち合わせていなかった。



『紅葉様は、本当に和菓子がおすきなんですね。』


「まぁのう…、じゃが鏡花とAには勝らぬぞ…。」





嗚呼、やっぱり泉鏡花は付いてくる。

まだ、紅葉様の中に泉鏡花は居て。
私の場所を占領している。



それがどんなに苦しくて辛くて憎いのかを知らぬまま泉鏡花は平和な世界で生きている。






『…ありがとうございます。

私も紅葉様のことを心から慕っています。』



本当、本当に慕っているのに

どうして手が届かないのだろう。




どうして、紅葉様の瞳に映る私は酷く醜いのだろう。




「Aは、本当にいい子じゃのう…ちと私に勿体無いぐらいじゃ。」



私の気持ちも何もかも知らない紅葉様は、矢張り今日も美しく妖しく笑っている。


紅葉様はきっと、知らず知らずのうちに泉鏡花を私に重ねているだけなんだ。




それがどんなに辛いことか気付かぬまま。





＿＿＿＿紅葉様。


私は紅葉様が思っている以上に〈悪い子〉なんですよ？




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長らく放置してすみません！

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