私と〇〇８ ページ9
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数日後、私は紅葉様から貰った巾着袋をあの和菓子屋に忘れているのに気がついた。
ほかの方に携帯電話を借りて掛けると案の定お店の方にあることが確認できた。
紅葉様は任務で夜遅くまで帰らないため、私一人で行くことにした。
『紅葉様にはダメって言われてるけど…一回ぐらいなら大丈夫だよね…。』
あれは〈私に〉紅葉様がくれた特別な巾着袋。兎柄でも何も無い、牡丹の花が描かれた美しい巾着袋。
だから、何としても今日中には取りに行きたかった。
『少し、出掛けてきます。
夕方前までには必ず帰ります。』
紅葉様の部下にそう伝え、1人だけでヨコハマの街に出向いた。
着物姿の私は目立ち、通り過ぎる人々はジロジロと着物姿を見ていた。
『…視線が痛い。』
あまり、見られることを好いてない私にとって１種の拷問のように感じた。
逃げるように歩き、和菓子屋に行くと店主から巾着袋を貰い１つ溜息を落とした。
『早く帰らなくちゃ…。』
早く帰らないと紅葉様にバレてしまうかもしれない。そうなるときっと紅葉様は私に失望する。
早足で店から出て帰ろうとした時だった。
「待って鏡花ちゃん!」
後ろからそんな声が聞こえ、瞬時に向いた。
そこには白髪の青年と
よく知っている、泉鏡花がいた。
『ｯ…ぁ…。』
「ごめん。もう少しゆっくり歩く…」
「安心して、お菓子は逃げないから。」
どうやらこちらの和菓子屋によるようだった。
私と同じ、着物を着て携帯を下げて兎のストラップがある。
パチっと目が合ったような気がして慌ててそらした。
影で愚痴愚痴言っている私は本人にいざ会ってみると何も出来ない弱虫なんだ。
気分が悪くなり逃げるようにそばに付けていたタクシーに飛び乗った。
プルプルの手は震え、映し出されるのは仲良く微笑む紅葉様と泉鏡花の姿。
私はぐちゃぐちゃにしてやりたかった。
私の居場所はどこにあるの？
『紅葉様の所に決まってる…。』
それを分かっていて、何故か不安になってしまうのだ。
だれか、分かるのなら教えて欲しいぐらい。
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まがおちゃん - めちゃくちゃすこです…！更新待ってます!! (2019年7月7日 10時) (
レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 私、鏡花ちゃんも中也さんも、和装少女も好きなんで、この作品、好きになりました！ (2018年7月21日 1時) (レス) id: d9fe0571d4 (このIDを非表示/違反報告)
中原中也の帽子 - めちゃくちゃ続き気になります……！！！更新待ってます (2018年3月11日 19時) (レス) id: 75e7a0f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイスココア - めちゃくちゃ好きです！更新待ってます！！！ (2018年3月4日 23時) (レス) id: 75e7a0f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - あ、、、、切ない、、、 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 21f68f96dd (このIDを非表示/違反報告)
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