2話 ページ3
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『…星川 Aです。』
ティーセット越しに黒一色で珈琲を口に含む中原さんという方に挨拶をして私も紅茶を口に含んだ。
「忙しい中、ありがとうございます。」
失礼だとは思うが、あまりに服装に似合わない敬語で話してきたため口をぽかんと開けてしまった。
『いえ、こちらこそ…。』
今まで、話した人の中では丁重で自分を押し付けるような感じの人ではなくて憂鬱には感じなかった。
口下手な私にも合わせてくれて優しい。と思った。
話せば話すほど打ち解けあって紅茶は冷めてしまい、中原さんのエスコートでガーデンテラスの前に庭に出た。
嗚呼、私乗せられてる。
中原さんはいい人だ。
でもこれは、罠なんだ。
中原さんが悪いわけじゃない
背後をチラつくお義父さんのが嫌なんだ。
邪魔者の私を嫁がせて、あば良くば資金提供してもらう。
道具みたいに扱われていて、嫌悪感しか感じなかった。
これだからお見合いは嫌なんだ。
普通の恋をして好きになって結婚する、
当たり前のことができなくて悔しかった。
ぼーっとしていた私を心配したのか中原さんは眉を顰め「大丈夫ですか?」と声をかけた。
『あ、大丈夫…です。ちょっと考え事しちゃって。』
話すこともなくなってただ黙って花を見ているとどうしてもお義父さんの影がチラつく
『中原さん、ごめんなさい。
_____このお見合い無かったことにしてくれませんか?』
いつものように発した言葉が
彼の心を変えたようで、
無言で近づかれ腕を掴まれて
「そんなこと言ったって
______逃がしてやるかよ。」
ゾクリと悪寒が走った
この人、私の知っている中原さんではない。
『や、やめッ…!んぅ…!?』
必死に拒もうとした私を力でねじ伏せ
接吻をした。
あっさりと舌が侵入して何かを飲み込まされた
その瞬間、急激な眠気が襲い意識を手放した。
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猫桜 - 更新、待ってます! (2018年7月26日 10時) (レス) id: e6d0a47f92 (このIDを非表示/違反報告)
誘宵(プロフ) - つづきが気になります!頑張ってください(>_<) (2018年2月13日 0時) (レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
埃 - 続きが気になって仕方がないです!更新頑張って下さい! (2017年11月27日 22時) (レス) id: 7d7c78c9aa (このIDを非表示/違反報告)
夜蜜姫(プロフ) - 更新して欲しいです。お願いします。 (2017年9月27日 17時) (レス) id: e230e4a314 (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 初恋抹茶さん» 更新待ってます! (2017年8月23日 2時) (レス) id: 122e18d340 (このIDを非表示/違反報告)
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