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11話 ページ12

no-saido



中原は任務を終え自宅に着いた時、小さな小包を持っていた。


帰る途中、洋菓子店でケーキを1つA用に買ってきたのだ。



車から降りていつも通り鍵を取り出し開けた。




異変はそこからだった。



ピクッとこめかみが動きバッとドアを開けると玄関から突き当たりの奥の部屋がぐちゃぐちゃになっていた。




それに気づいた中原は真っ青になり走り出した。




奥の部屋には、椅子に縛られ目隠しをされていた相塚がいた。





「相塚…。」




中原が名前を呼ぶと反応し項垂れていた相塚はすぐに顔を上げた。




「その声はッ、中原様…!」





急いで中原がナイフを取り出し縄を裂くと、相塚は立ち上がったがったがすぐにぺたりと地面に座り込んでしまった。




「一体なにがあった…!」




「ッ、…申し訳ありませんッ!


A様が太宰幹部殿に連れ去られました。



私を気絶させた隙に、どうやら太宰様がA様の自室に…。




中原様、本当に申し訳ありません…私が気絶する前に気づいていたら…!」




相塚言葉をつまらせながらも話すが、次第に涙がこぼれ泣きじゃくる形となってしまった。




「相塚、手前ェは悪くねェ。


____ッ糞、あの太宰め!」



太宰の名前を聞いた途端、中原はいてもたってもいられなくなり反対方向に飛び出した。



中原には一体、いつ、どこでAの情報が漏れたのか分からなかった。知っているのは中原、鴎外、相塚、Aの義理父だけだ。




段々、中原の背中が遠くなりそれを相塚はぼんやり見つめていたが手には力がこもっていた。




「行かないでよッ____。」




ひどく小さな声でそう呟き、また涙を零した。





ぼやけた相塚視界に1つの小さな小包が目に入った。


ふらつく足を動かし相塚はそれを手に取り開けた。




「ケーキ?



中原様…があの女のために…?」







相塚はなんの前触れもなくそれを床に叩きつけ足で踏みにじった。もうケーキは跡形もなくなっていた。





「______あんたなんかに幸せなんか要らない!!」







悲痛な叫びがひどく大きい家に反響して消えた…。

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猫桜 - 更新、待ってます! (2018年7月26日 10時) (レス) id: e6d0a47f92 (このIDを非表示/違反報告)
誘宵(プロフ) - つづきが気になります!頑張ってください(>_<) (2018年2月13日 0時) (レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが気になって仕方がないです!更新頑張って下さい! (2017年11月27日 22時) (レス) id: 7d7c78c9aa (このIDを非表示/違反報告)
夜蜜姫(プロフ) - 更新して欲しいです。お願いします。 (2017年9月27日 17時) (レス) id: e230e4a314 (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 初恋抹茶さん» 更新待ってます! (2017年8月23日 2時) (レス) id: 122e18d340 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初恋抹茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年5月19日 21時

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