３５話 ページ36
・流血シーンあり
グラッと視界が揺らいだ。
目の前がチカチカと赤色になり「痛い。」という文字が脳裏を埋め尽くした。
『あ゛あ゛ぁぁｯ＿＿＿！？』
ユイちゃんを突き飛ばし、銃弾は私の足に当たった。
男が利き手ではない手で拳銃を持って打ったため足に当たっただけで済んだ。
「お姉さん！！？」
『ｯ、来ないで！！』
私に近づこうとするユイちゃんを裂くようにまた銃声が響いた。
男も、一心不乱に銃を撃った
１発、もう一方の足に当たり言葉にならないほどの悲鳴が襲った
ユイちゃんが何かを言っている
その声さえすら届かない。
脳が考えることを停止した。
怒り、苦しみ、憎悪が私を壊していった。
「きゃぁｯ！？、やだっ…なに…コレ…！？」
虚ろになりながら唯一、あの高いユイちゃんの声が聞こえた。
＿＿＿＿＿＿は？
影がユイちゃんを飲み込んでいる？
『異能力の…暴走…？』
周りを見ると、影に飲み込まれ手しか見えなくなった男の姿もあった。
ダメだ。このままじゃあユイちゃんも…
『ｯ、止めて…ユイちゃんを飲み込まないで！！
その子だけはｯ…ダメ！、お願いだから！私を代わりに飲み込んで！！！』
飲み込まれそうだったユイちゃんから影は消えて、私の足元を掴まれた。
嗚呼、私の影が私を掴んでる。
「お姉さん！？、ダメ、いかないで！！」
必死にユイちゃんは私の手を引っ張ったが私は飲み込まれ続けた。足元が不安定になり倒れじんわりと影に体全体を飲み込まれた。
嗚呼、飲み込まれた先に何が残っているのだろうか。
天国？、地獄？
いや、深海みたいな冷たい世界に独りぼっちなんだ。
ユイちゃんの涙が綺麗な真珠に変わりポロポロと床に落ちた。
『…泣かない…で。大丈夫…だから。』
大丈夫、この世界を好きなままで消えて行けるから。
太宰さんを好きなままで消えていける。
目をつぶり、微笑みを貼り付けた。
＿＿＿＿＿＿助けを微笑みの内に隠した。
名残惜しいように、片手はまだ飲み込まれていない。
この手を太宰さんが取ってくれたら。
ねェ、太宰さん＿＿＿＿＿
『助け…てｯ。』
飲み込まれていく中、頭の片隅で
人間失格
と声がした。
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にろりん - 遅くなり申し訳ございません。改めて完結おめでとうございます！毎回楽しみに読ましてもらいました。新作も見ます！絶対！！ (2017年5月4日 20時) (
レス) id: 3b726ac26d (このIDを非表示/違反報告)
松木小春(プロフ) - 完結おめでとうございます！森さん落ち楽しみです！ (2017年5月2日 23時) (レス) id: e4578cb5fe (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 完結おめでとうございます！新作楽しみにさせてもらってます！！ (2017年5月2日 22時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
初恋抹茶(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！新作の方は森さん落ちにしようと思うのでよろしくお願いします！ (2017年5月2日 20時) (レス) id: 8f432b42ce (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - お疲れ様です！！そして完結おめでとうございます！最後は納得の終わり方でした……泣きました(^^; 新作、お待ちしております(o^^o) (2017年5月2日 20時) (レス) id: b15e900c6b (このIDを非表示/違反報告)
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