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29話 ページ30




目の前にある鏡の前に立ち服装をもう1回確認した。


くるりと腰を捻らせるとふわっとスカートは舞い上がった。




『あの、太宰さん…準備できました。』



控えめに太宰さんの背中に声をかけると柔らかい微笑みを私に向けて太宰さんは私の元に近づいた。



「うん、じゃあ行こうか。」



ぎゅっと、さり気なく手を繋がれたが私は不思議なことに驚かずあっさりと受け入れてしまった。


「まずは、Aちゃんの食べたがってたクレープ屋さんに行こうか。」



『はい!』




ニコッと楽しそうに笑えているが心の隅に早まる鼓動を隠せているか心配だった。太宰さんに緊張している事がバレてしまってはまたからかわれてしまうから。



そんなこと思っているうちに目的地について雑誌に載っていたのと同じクレープを食べた。
いちごのクレープは甘いが、クリームの甘さは控えめでほんのり酸味も効いてまさに黄金比だと思えた。


「幸せそうに食べるね。」


『甘いモノが大好きなんで…、太宰さんも1口食べてみませんか。』




太宰さんの前にいちごのクレープを差し出すと、珍しく目を見開き口をぽかんと開けた。



あ、これ…私の食べかけだったんだ…。


『あ、ごめんなさい…。食べかけ嫌でしたよね。』



「いや、そうじゃなくて。


__今日はAちゃんが積極的で少し驚いてしまったのだよ。」



クスクスと笑い、優しく頭を撫でてくれる太宰さんにまた鼓動が跳ねながらパクリといちごのクレープを食べた。




食べ終わり、「次はどこに行くのですか?」と聞くと太宰さんの顔は少し曇った。







「次は、




____君の思い出の場所に連れて行ってあげる。」





だから、花束を買おう。と言った。



この時私は分かってしまった



私がこれから行く場所が_____。

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にろりん - 遅くなり申し訳ございません。改めて完結おめでとうございます!毎回楽しみに読ましてもらいました。新作も見ます!絶対!! (2017年5月4日 20時) (レス) id: 3b726ac26d (このIDを非表示/違反報告)
松木小春(プロフ) - 完結おめでとうございます!森さん落ち楽しみです! (2017年5月2日 23時) (レス) id: e4578cb5fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます!新作楽しみにさせてもらってます!! (2017年5月2日 22時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
初恋抹茶(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます!新作の方は森さん落ちにしようと思うのでよろしくお願いします! (2017年5月2日 20時) (レス) id: 8f432b42ce (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - お疲れ様です!!そして完結おめでとうございます!最後は納得の終わり方でした……泣きました(^^; 新作、お待ちしております(o^^o) (2017年5月2日 20時) (レス) id: b15e900c6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初恋抹茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月9日 15時

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