どうか、私を連れ出して【文豪ストレイドッグス】

１０話 ページ11

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『…Aです。


よろしくお願いします。』



私は武装探偵社員の方々に囲まれ挨拶をした。

苗字は言わなかった。言いたくなかった。


太宰さんもそれを分かったようで小さく頷いた。



でも、私がポートマフィアの構成員なのは確かできっとこの人たちも知っているはずだ。




私が呑気に挨拶していいのか分からなかった。




「Aさんですね！、体調はもう大丈夫ですか？


僕は中島 敦です。よろしくお願いします。」


「妾は与謝野晶子。怪我したら言いなァ」

「国木田独歩だ。太宰のやつが世話になったな。」


「宮沢賢治です！よろしくお願いしますね。」


「えっと、谷崎潤一郎です。よろし…「ナオミですわ！仲良くしましょうねAさん！」


「え〜、僕も自己紹介しないとダメ？

仕方が無いね、僕は江戸川乱歩。

よろしくね〜。」


「福沢だ。要件は太宰から聞いた。

ポートマフィアからは守ることを約束しよう。」



『あ、ありがとうございます。』




社員のみんなは、軽蔑する訳でもなくただ普通に自己紹介をしてくれた。

それが嬉しくて仕方がなかった。


クイッと袖を引っ張られて振り向くと鏡花ちゃんが私を見ていた



「久しぶり…覚えてる…？」


『勿論、久しぶり鏡花ちゃん。』




ニコッと笑うと、鏡花ちゃんも釣られて微笑んでくれた。




ポートマフィアよりもずっと暖かくて

眩しくてキラキラしてて




羨ましかった。





「社長、ポートマフィアが攻めてくるのも時間の問題かも知れません。


Aちゃんの異能力は脅威です。

必ず取り返しに来るでしょう。」


「そのようだな。外出は控えるようにしないと危ない。」




太宰さんと、社長の顔が曇り次々にみんなの顔が曇り出した。



私はそれぐらい迷惑なことをしている



不意に方をポンポンと叩かれ隣には中島さんがいた。



「大丈夫だからね。」


と言ってくれた。


『ありがとうございます。』



中島さんの言葉で不安は少し削れた。

ただ、


この人たちもあの人(首領)に消されてしまうのではないかという不安は消えなかった。

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