テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ6)

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それからというもの、緑谷たちとご飯を食べるだけではなく、朝登校してきた時にクラスメイトに挨拶をしようと試みた。

まずはいつの日か話しかけてくれたメガネ女子。

『お、おはよう…！』

「ん？お、感宮さんじゃーん！おはよ！珍しいね、挨拶してくれるなんて」

『あ、はは。きょ、今日も頑張ろーっ』

「ぷはっ、何それ面白い！」

挨拶をするしか頭に入っていなかった為、それ以外に話すことなんて考えているはずがなく。アドリブで出た言葉がまさかのそれで、自分でも何それと思った。

まだまだ道は長そうと感じつつ、自分の席に鞄を置くと、隣の席の男子に恐る恐る挨拶をしてみる。

『お、おはよ。心操くん』

「はよ、感宮」

心操くんはこのクラスで一番の人気者。クールな彼が人気の理由は体育祭で見せた個性によってだった。

そんな彼に実は少し憧れを抱いていたりする。なぜなら彼の個性と私の個性は、全く違うけれど似たような系統だからだ。

私もこの個性で何か出来るようになるかな、と新しい夢を見つつ席に座ると横から何故か視線が突き刺さる。

『えと、心操くん…？どうしたの？』

「…いや、なんか雰囲気変わったなと思ってさ」

『え、そうかな？』

「あぁ、柔らかくなった気がする」

『…ふふっ、そっか』

そんな言葉に嬉しくて思わず笑みを浮かべる。すると心操くんはピタリと固まったかと思えば目を逸らしていた。

だけど私はそんなことはお構いなく、轟くんに報告しようと心がワクワクしていたのだった。