テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ5)

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No.54 ページ5

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『よよよ、よろしく…』

「感宮さんってば、そんな緊張しなくてもよろしいのよ？」

「ありがと、僕たちを誘ってくれて！」

「私もなんか一緒でごめんな？あ、私、麗日お茶子！よろしく、感宮さん！」

次の日の昼休みは轟くんの協力も得て、私と轟くん、緑谷、飯田くん、八百万、そして初めましての麗日さんとの食事が実施された。

緊張で一気に暑くなってしまったけれど、食べる場所がいつもの屋上じゃなくて良かったと思う。だって時期はもう夏。きっと屋上にいたら茹で上がっていただろうから。

きっといつものあの場所も、夏の暑さを利用して私を教室で人と食べさせようとしているのだろうか。

なにせ、今はA組教室内の冷房の風に気持ちは救われていた。

「轟くんから聞いたよ。目標は食堂で食べることなんだろ？ならば僕たちは精一杯サポートしてやろう！」

「うん！そやね！！」

「個性制御の練習か…。感宮さんの個性はテレパシー。意識を集中させたりすると発動するみたいだから、それを忘れるくらいの何かがあればいいのか？いや、でも…」

『緑谷、ぶつぶつうるさい』

「相変わらずだな、緑谷も」

少し騒がしめの教室。いつもなら轟くんと二人きりで静かだから新鮮だ。

チラリと隣にいる轟くんを盗み見ると、その更に隣にいた八百万も視界に入ってきて、美男美女のツーショットにヤキモチを妬く。

『悔しいぐらいお似合い…』

「A、どうした。具合悪いか？」

『な、何でもない！』

顔を覗き込んでくる轟くんに、私だけではなくて緑谷たちが顔を真っ赤にさせていただなんて知る由もなかった。