テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ27)

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No.76 ページ27

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じわじわと突き刺さるような暑さ。汗を流しながらも私は公園のブランコに腰掛けていた。

『シロー、コハクーどこ行ったのよー』

あまりに暑いせいか、どうやら二匹は避暑地へと行っているようでいくら猫じゃらしを振っても近づいてこない。

今の私にはシロたちが必要なのに、と思いながら昨日の病院のことを思い出していた。

『え、やおっ…』

「シッ！」

緑谷の病室に向かう途中、八百万が頭に包帯を巻いて警察と、あのオールマイトと話しているのを見かけた。

オールマイトを近距離で見るのは初めてだったけれど、そんなことよりも八百万が入院している方が驚きで、思わず大声を出しそうになったところを切島くんに止められた。

どうやら発信機をヴィランにつけたから、爆豪くん捜索に使ってくださいとのこと。

その時、切島くんから熱気を感じて少しだけ意識を集中させれば、彼の中で"助けに行く"という決心をしていたみたいだ。

そして轟くんにテレパシーは使わなかったけれど、オッドアイの瞳からは切島くんと同様に決心していて。

その時に抱いた複雑な気持ちは、次の日になった今も消えない。

案の定、ついさっき「爆豪を助けに行く。絶対に帰ってくるから」という電話が来た。

『私が先生にチクったらどうするのよ』

でも、そうしないと思われているだろうから、そこは複雑。

『帰ってきてよ、馬鹿…』

麦わら帽子の下、暗い表情を隠して呟くと私の名を呼ぶ声が聞こえてきた。