テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ20)

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No.69 ページ20

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「うおぉ！見知らぬ美女がいるぅー！おいらの女神ぃー！！」

「あれ、君クラスに来てた子じゃん！」

しばらくすると紫の小さい人と上鳴がやって来て、私を見るや否や紫の人の方は私の元に飛び込んで来た。

「お嬢さん、おいらと一緒にひと泳ぎしませんか？」

『へ？』

すると突然跪き、私に手を差し伸べてキメ顔を決めてきた。驚いた私は、久々にテレパシーが発動する瞬間を身に染みて感じる。

(超可愛い美女～！！おいらと泳ごうぜぇー！なんならそれいじょ…)

『ひぃっ！？』

聞こえてきたのは、多分女子が聞いてはいけないようなソレ。一気に顔を赤く染めた私はそのままプールに飛び込んで隠れる。

「A！！」

波しぶきをあげて、ぶくぶくと沈めばどこか遠くから同じような波しぶきの音が聞こえてくる。そこでギュッと瞑っていた目を開ければ、轟くんが私に手を伸ばしていた。

『ぷはっ…！』

「はっ…大丈夫か！？」

『あ、うん、大丈夫…っ！』

轟くんに引き上げられ一息つくも、髪をかきあげる仕草に心臓がギュッと掴まれて、もう片方の手が私の腕に直に触れられているから変な感じがして、とにかく訳が分からない。

ふと周りを見るとみんなニヤニヤしているし、上鳴が「あの子は轟のモノだから」と意味不明な言葉を紫の人に伝えて、その人はションボリしている。

「あっ、悪ぃ」

『う、ううん！ありがと』

ぐるぐると頭が回っていると、轟くんが先に離れてくれた。でもそれはホッとしたというより、寂しい方の気持ちが勝っていたのは内緒だ。