テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ19)

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No.68 ページ19

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街では蝉が鳴き始め、夏の訪れを感じる。そんな夏休みのある日、私は学校に来ていた。

「感宮さーん！こちらですわー！」

『みんなおはよう』

「おはよー感宮さん！」

どうやらヒーロー科は長期の外出を禁止されているらしく、それならプールも学校に行けばお金もかからないしいいだろうということになったらしい。

ヒーロー科はいつも大変だと思うけど、みんな仲が良くて羨ましい限りだ。

さっそくスクール水着に着替えて、準備体操をしているとたくさんの足音が聞こえてくる。何だろうとそちらに目を向けてみれば、A組の男子がいた。

『え、轟くん！？』

「A、何でここに…」

『私は八百万たちにプールに誘われて…轟くんは？』

「俺は緑谷に誘われて来た」

その中にいた轟くんも、もちろん水着姿。初めて見るその姿は筋肉がびっくりするほどすごくて直視出来ない。

あまりの偶然に芦戸さんを見るけれど、「偶然だー！」と笑っているだけ。緑谷は学校へのプール使用許可申請を確認しているみたいだからここにはいない。後で問いただしてやろうか。

『えっと、男子は体力強化なんだ。すごいね、頑張って』

「あぁ、サンキューな」

『あ、準備体操しなきゃ！行ってくる！』

お互いそっぽを向きながら話すも、耐えれなくなって思わず逃げ出してしまう。女子たちのところに戻ると「早くくっつけばいいのに」と理不尽に言われたけれど、気にせず屈伸を始めた。