テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ14)

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No.63 ページ14

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それからというもの、私の頭の中は常に轟くんのことばかりで。そのせいか、今までなら人が多い教室とかでうっかり個性を使っていたけれど、それがめっきりなくなった。

でも、それは勉強にも少なからず影響している。

『A組のみんな、勉強頑張ってるね』

「うん、放課後は個性の訓練しとるから勉強は今しかする時ないんよね～」

『大変だね、ヒーロー科って…』

昼休みにA組に顔を見せに来ると、みんな昼食をとりながらも問題の出し合いをしたりしていた。中には余裕なのか喋っている人もいるけれど。

ちなみに轟くんは昼食を買いに行ってくれている。私も今日こそは食堂にチャレンジしようかと思っていたけれど、やはりクラスの何倍もの人口にまだ目がくらむ。

…その上、轟くんが隣にいると心臓がもたない。

『はぁ…』

「どうしたの？感宮さん」

『緑谷は余裕組か』

「よ、余裕って…」

あはは、と苦笑いをこぼす緑谷。そして空いている席に座って項垂れる私に、緑谷と麗日さんは不思議そうな表情を浮かべる。

『私、個性のせいで不登校児だったわけだけど、家では勉強頑張ってたの』

((突然の告白！？))

『もう、二人とも聞こえてる。あと心の中でハモんないでよ。

…でね？ここに来ても良い感じだし期末テストも自信はあったんだけど…』

「けど？」

『最近、何してても気付いたら轟くんのこと考えちゃって…勉強が捗らない』

どうしたらいいと思う？と、私より個性の扱いに慣れているであろう二人に聞いてみる。

けれど二人は顔を真っ赤にさせて答えてくれないし、私の後ろから大きな声が聞こえてきて耳がキーンとなった。