■ ページ8
机の上に買ったばかりの小説を並べて、タイトルをじっくり見てどれから読むか考えてたら、私の視線はある本の上に止まった。
【羨望。】
潰れたイチゴのイラストの上に、黒い文字で大きくそう書かれてる。
ただただ、『羨望。』という単語に潰れたイチゴのイラストが描かれた表紙が気になっただけでどんなストーリーかもわからない。
レビューを見て買う派なのに、ただその中にどんなことが書いてあるかまったく調べないで買ったのは初めて。
ページを捲る。
白いページの真ん中には小さく縦書きで『憎まれる人になりたい』と書いてあった。
「憎まれる人、」
ー本来、羨望というのはそれに対しての愛がなければ成立しない。愛があるからこそ、憎いのだ。憎くて、愛おしくて、それを求めてしまう。
「・・・。」
いろんな本を読んできたけど、この本は予想以上に私に新しい感情を教えるみたいでワクワクした。
夢中になってページを捲る。
そのページの中の黒を追うように、目を動かすと突然「A〜！」って声が聴こえた。
ドキッとした。
・・・雄登だ。
「・・・っ、はい！」
ドアを開けると雄登が「優斗くん来てるよ！」と言ってくれて「またあいつか・・・」と顔を押さえて階段を降りた。
優「A！」
リビングでDKに囲まれた優斗はどかどかとソファーに座っていて独特の笑い声を飛ばしながらそこにいた。
隣の家に住む、幼馴染の優斗。
昔から一緒で、もう一人の弟みたい。同じなを持ってるだけ、弟って感じが強い。
優「ねえ、メシ付き合って♡」
「えー。めんどくさっ」
飛「俺も連れっててよ！」
優「いやですー。俺とAで行くからっ」
飛「え〜！」
「ね？イイでしょ、A！」って私を見つめる優斗に「・・・だるい」と告げるとなんでさ〜！って顔を歪めて口を尖らせた。
「イイジャーン！」って私の手首を掴んだ優斗は「俺のおごりでイイから♡」と首を傾げる。
「え〜・・・絶対嘘じゃん」
そう言いながら疑いの眼差しを向けると、雄登が「うるさいから、早く行って」って私の背中を押す。
優「イイ弟を持ったなあ♡」
雄「お義兄様、姉をよろしくお願いします」
優「おお、任せとけ！」
「ふざけないでよ」
ケラケラと笑った二人の茶番が終了したところで優斗はリビングのDKたちに「じゃあな！」と言うと、私の腕を引いた。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
