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弟は名門校の中学受験にトップの成績で合格してそのまま高等部に入って、ずっと学年一位をキープしてる。
両親の期待は募るばかりで、「お前には期待してるからな」って嬉しそうに弟の頭を撫でる。
ペンを走らせてたのを一回止めて、紙の端っこに小さく「雄登になりたかった、」と書き、ため息を零すと私はペンを強く押し付けてそれを黒く掻き消した。
北「なっちゃん」
「はい！」
北「これ、シュークリームとレモンジュースね」
「ありがとうございます！美味しそう〜！」
北斗さんテーブルにプレートを置くと「勉強大変？」って優しく目を垂らした。
「ん〜、授業が難しくて」
北「そっか」
無理しないでねって優しく笑った北斗さんは「本届いたら声かけるね」って戻っていく。
北斗さん変わらないな。
相変わらず、優しい。
「いただきます」
シュークリームを一口齧ると濃厚なカスタードクリームの味が口に広がって、一気にハッピーになれた。
咀嚼しながら凪を見渡す。
凪の雰囲気が好きだ。
アジアンな色合いで揃えられたソファー席。
暖色系のライト。
たくさんの本が並ぶ本棚。
凪にいると、静かに時間が流れてく。
シュークリームを食べたところで、またペンを走らせると上手い具合に纏まったモーションの内容を見つめて口角を上げた。
はぁ、って息を零した瞬間「Aちゃん、本来たよ」と北斗さんの声が聞こえて私はご機嫌に「はーい」と返事をして席を立った。
凪の紙袋の中には、いくつかの本。
家路につきながら、どれから読もうか考えてたらスマホの通知がなって咄嗟に画面を覗き込んだ。
「なんだー、ながつじゃん」
後でいいや、と思って再びポケットに仕舞うと再び忙しく鳴り響く通知。
耐えらずチャット画面を開くと、そこにはながつと廉と一学年上の阿部顕嵐先輩の姿あって。
「なんで私に送るのよ・・・」
そう思ってスマホに声を零すと、吹き出しが増えた。
ーあれん、Aに会いたがってたよ！
「・・・興味ないですってば、」
私は、真面目な人が好きなんだって。
前に一回言い寄られたことがあるけど、あの人「ねえ、俺と付き合わない？」って明らかに揶揄ってんのかっていう態度で言ってきた。
既読をつけただけのスマホを再びしまって、私は家を目指した。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
