剣持さんと勉強 2 ページ6
「そこ、間違えてる。3xじゃなくて-2x」
「は、はひ」
膨らんでいた期待はものの数分で萎んでいった。何故かって、剣持さんの指導がスパルタなのだ。叱咤を受けひんひん泣きながら消しゴムで文字を消していく。思ってたのと違う。
「少し休憩しましょうか。疲れたでしょ」
「うぅ……」
休憩の言葉を聞いた瞬間ばたりと机に突っ伏した。正直かなりしんどい。
「いやこれも愛のムチだと思えば」
「何言ってるんですか」
頭おかしいのかとでも言いたげな目で見られた。失礼だけど剣持さんだから許せる。
「はい、休憩終わり。続けますよ」
「えぇ！？まだやるんですか！？」
「いやまだ課題終わってないからな」
あのスパルタ指導がまた来るのかと思うと気が重い。ため息をついた私の頭を軽く小突く剣持さんにときめきつつペンを持ち直した。
「お、終わった……」
「お疲れ様」
ぐだりとまた机に突っ伏す。やっと、やっと終わった。
疲れたので今日はよく眠れる気がする。
「ありがとうございました……」
「まあよく頑張ったんじゃないですか」
「ご、ご褒美ください……しぬ……」
「えぇ……」
剣持さんからのご褒美があれば今日一日(といってももう夕方だが)生きられる。気がする。
まあ無理だろうなと思いつつ剣持さんにご褒美を乞うてみる。が、言ってからとても虚しくなった。
「なーんて、冗談ですよ。はは……」
「……はあ、仕方ないな」
はは、泣きそうになりながら冗談めかした笑みを向ける。そんな私に剣持さんは手を伸ばしてきた。え、叩かれるの私。いやそれはそれで興奮するけど。
咄嗟に目を瞑った。が、痛みの代わりにやってきたのは柔らかな手のひらの温もり。
「……え、」
「こんなのがご褒美になるのかは知りませんけど」
よく頑張りました。
そう言いながらぽんぽんと頭を優しく撫でられる。
「……っ、」
じわり、剣持さんの優しさが身に染みて涙が滲んだ。
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あるる(プロフ) - 更新まってます。 (4月12日 20時) (
レス) @page18 id: b279daaf7c (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃ - 更新待ってます！！ (2022年9月4日 16時) (レス) @page18 id: 0eb8ab871d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃー！ - 最高です (2022年4月4日 23時) (レス) @page18 id: d656d21813 (このIDを非表示/違反報告)
消炭(プロフ) - 燐さん» ありがとうございます〜〜！！更新頑張ります！！！ (2022年3月24日 11時) (レス) id: 3142803129 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - ワーーーーーーーーッッッッッッッめっちゃ好きですありがとうございます！！！！！！！！！！ 更新頑張ってください！！！！ (2022年3月23日 16時) (レス) @page18 id: d09a152a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：消炭 | 作成日時：2021年11月25日 12時
