剣持さんの部活 ページ3
「待って待って無理無理死ぬから」
「剣持先輩好きな癖になーに言ってんの。ほら行くよ」
「ああああ……」
私は今、現在進行形で友達に引き摺られている。
どこへ行くかって？それは、
「そりゃ剣持さんが部活してる姿とか見たいよ？けどさあ、死ぬじゃん」
「ハイハイわかったから」
そう。剣持さんが所属している剣道部の活動場所、道場である。
正直剣持さんが剣道してる姿とかそれはそれはとても見たい。どれくらいかと言うと、喉から手が出るどころか身体中のありとあらゆる穴から手が出るくらい。
部活中に顔を出して迷惑じゃないだろうかという気遣いと、あとは私が尊死するからという勝手な理由で今まで部活を見に行ったことがなかったのだ。
ちなみに私は吹奏楽部だ。今日は顧問の都合で部活は休み。私のことを引き摺る友達も同じ吹奏楽部で、一番仲のいい友達でもある。
「ほーら着いたよ。お、ちょうどやってるじゃん」
「むりむりむりわたしかえる」
「赤ちゃんか？」
"剣持さんの部活中の姿"に対する(かっこよさから来る)恐怖と少しの期待。正直キャパオーバーで卒倒しそうだった。
友人はそんな私を見てゲラゲラと笑っている。失礼だなオイ。
柱の影でなんやかんやと話していると、こちらに気づいたらしく道着を着た先輩らしき人が近づいてきた。
「どうしたの？見学？」
「はひっ、あ、や、あの」
「あ、花咲先輩〜！実はですね、この子剣道部に憧れの先輩がいるんですけど、その人目当てで来ちゃったと言いますか」
「ああ、そういう。いいよ、少しだけなら見てってよ」
「だって、A！先輩ありがとうございます〜！」
「いえいえ」
どうやら近づいてきた先輩と友人は知り合いらしく、あっという間に会話がとんとん進んでいく。待って、この先輩見学許可出したの？
「いやいやいや大丈夫です帰るんで」
「折角先輩から許可貰えたんだから見ていこうよ」
「むりぃ……」
先輩が去った後、物陰に隠れて剣持さんを探す友人。私は蹲り顔を覆っていた。
「あ、剣持先輩いた」
「ﾋｮｴｯ！？」
剣持先輩、その言葉に反射的に顔を上げた。友人の指差す先を見ればちょうど竹刀を片手に水を飲む剣持さんの姿が。思わず「ヒィ」なんて情けない悲鳴が上がる。竹刀を置き、ふぅと息をついて汗を拭う剣持さんから目が離せない。
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あるる(プロフ) - 更新まってます。 (4月12日 20時) (
レス) @page18 id: b279daaf7c (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃ - 更新待ってます！！ (2022年9月4日 16時) (レス) @page18 id: 0eb8ab871d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃー！ - 最高です (2022年4月4日 23時) (レス) @page18 id: d656d21813 (このIDを非表示/違反報告)
消炭(プロフ) - 燐さん» ありがとうございます〜〜！！更新頑張ります！！！ (2022年3月24日 11時) (レス) id: 3142803129 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - ワーーーーーーーーッッッッッッッめっちゃ好きですありがとうございます！！！！！！！！！！ 更新頑張ってください！！！！ (2022年3月23日 16時) (レス) @page18 id: d09a152a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：消炭 | 作成日時：2021年11月25日 12時
