Free.33 ページ36
A Side
郁弥の隣のレーンで泳いでいたら少しイライラした様子でプールから上がっていった。日和もあとを追いかけそうだったから僕も上がった。
郁弥、カラオケに誘われてる。僕はいつも断ってるからあんまり誘われない。
郁「ごめん、ぼくはちょっと。」
日「いk「おぉ、遠野お前、バックに加えて…」
話しかけられてる日和に目を向けて追いかけてくるね、と言う。日和もすぐ行くと言うような顔をしている。
「郁弥、待って!」
郁「A…」
日「郁弥!」
郁「変だよね、少しタイムが落ちてるくらいで…こんな弱さを見せてちゃダメなんだ。もっと強くならないと…!」
日「そんなにあいつのこと気になる?フリーが、フリーの調子が落ちてるってことは、」
「郁弥、日和…」
喧嘩になりそうでオロオロしてしまう。こんな二人見たことないから…
郁「前に話したことあったよね。中学の時…」
郁弥は中学でもアメリカでも酸欠事故を起こした。どちらも僕はその場にはいなくて、アメリカの時はただ見守ることしかできなかった。大好きな人も守れないなら、仲間なんて作らない方がいい。だから僕はリレーを泳がないんだ。
郁「今は、そんな自分の弱さが許せない…!」
郁「ごめん、先帰る。」
「あ、郁弥!日和、僕郁也の方行くね。またね!」
日和をその場に残し郁弥を追いかけた。どちらの方にいるべきだったのか、きっと正解なんてないのだと思う。でも、この時どちらかを取る選択しかできなかった自分の弱さに、僕は酷く後悔した。
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さく(プロフ) - はるかぜ。さん» ありがとうございます! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3f7d8ab273 (このIDを非表示/違反報告)
はるかぜ。(プロフ) - 読みやすくて、どんどん読めました。更新されていて嬉しいです!続きも楽しみにしてます! (2022年1月27日 21時) (レス) @page10 id: 164040e2af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく | 作成日時:2022年1月26日 22時