34話 ページ35
義勇さんが柱稽古に参加してから、他の柱の方が訪ねてくるようになった。
痣の出現のため柱同士でも稽古をしてるらしい。
わたしは義勇さんが柱稽古を始めて、初めて手合わせをしてもらった。
鬼殺隊に入る時に義勇さんから教わったことは基本的なことばかりで、水柱として教えてもらうのは初めてだった。
前よりも格段に強くなれた気がする。
今日は風柱、不死川実弥という人が来ている。
なにか因縁でもあるのか、ただこういう性格の人なのか、凄く気性が荒い。
わたしはというと、その戦いを見ながら、刀の手入れをしている。日輪刀ってお日様の光をたくさん浴びてるから、鬼に対して有効なんだよね。なら刀にたくさん日を浴びせたら強くなるのかなぁ。
気になったので、日の当たるところに出て、日差しに当ててみる。
わたしの日輪刀の色は白だ。光に当たってきらきらしている。きれいだな。
しばらく見ているけど、特に違いはなさそうだ。
ふと、視線を感じて見てみると、炭治郎くんが影から見ている。
(Aさん、なにしてるんだろう。じゃなくて、義勇さんたち喧嘩でもしてるのか！？)
あ、2人の刀が折れてしまった。
「よォし、次は素手で殺し合うかァ」
殺し合いだったのか。
「待った待った待ったァ！！」
炭治郎くんが止めてくれるようだ。
「ちょっと待ってくださいよ、殺し合ったらいけませんよ！」
どういう感情の表情なんだ、義勇さん。
炭治郎くん、火に油を注いでしまったようだ。
不死川さん、おはぎが好きらしい。次来る時に作っておこうか。
あ、ついに炭治郎くんが殴られてしまった。
『大丈夫ですか？』
「気を失っている。」
お気の毒に…。
『氷とって来ますね。』
「頼む。」
戻ると、炭治郎くんは目覚めていた。何か2人で話している。不死川さんはいなくなっていた。
義勇さんはムフフと笑っている。なにかいいことでも思いついたのだろうか。楽しそうでよかった。
『大丈夫ですか？』
「Aさん！もう大丈夫です！」
「そういえば、さっき何してたんですか？刀を眺めてましたよね。」
『日に当てたら、日輪刀が強くなるのかなって思って…。特に変わりませんでしたけど。』
と言ってわたしは刀を抜いて見せる。
「ふむ。日向に出る時は傘をしろよ。」
『はい。』
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作者名：咲 | 作成日時：2022年3月6日 21時
