空気だと思ってください【すとぷり】

オールしちゃうかんなぁ！？ ページ23

「ころん先生！蹴らせて！蹴らせて！」

目を輝かせて、るぅとくんがうさぎを操作する。
ぴょんぴょんところちゃんに近づいていっては、キックしようとして、空振り。

「おい、そういうゲームじゃないから！」
ころちゃんはボタンを連打して、逃げようと奮闘して、針に刺さってゲームオーバー。

私と莉犬くんは、仲良く協力プレイ。
「あ、A足掴んで〜」
「ん！掴んだ！」
「はい、転がりまーす」

ゴール目の前で、ゴールの穴がシュンと消えた。
「「え」」

るぅとくんが蹴飛ばしたころちゃんが、ステージ外まで飛んで行った。
あと一歩でゴールだったのに…と項垂れる。

「おいるぅとぉ！」
「ころん先生が飛んでいっちゃうのが悪いんですよ！！」
「せっかくAとゴール出来そうだったのに………」

そう言いながら、莉犬くんは隣に座るころちゃんの足をゲシゲシと蹴る。


ワイワイと大騒ぎして、2ステージを全てクリアした頃。
ころちゃんがスマブラというゲームをテレビで起動し始めた。
「あ！やるんですか！」
るぅとくんが慣れた手つきでコントローラーをテレビに繋いだ。
「A、今までの恨みいっぱい晴らそう。」
真面目な顔をして言う莉犬くんにスマブラの操作方法を教えてもらう。
難しくて首を捻ると横からるぅとくんが声をかけてきた。
「最悪ボタン適当に叩けば勝てるよ〜」
「え、戦うなら勝ちたいもん！ちゃんと教えて！」
真剣な顔付きでみんなの顔を見る。

私が使うのはピンクの丸いヤツ。可愛いから少し弱そう。

「A、オールしたことある？」
「オール？」
「ころちゃん！Aはまだ健全な学生だから！」
「いや、オールぐらいできた方がいいって、テストの時とかさ。」
「それはころちゃんがばかだからでしょ〜」

「ころちゃん、オールってなーに？」
クイッところちゃんの袖を引いて首を傾げる。

「夜になっても寝ないで、次の日になるまで起きてるの！」
ヒヒッといたずらっぽく笑うころちゃん。

寝ない、なんてことなかった。
眠らないと次の日のバイトに支障をきたすから。

でも明日は、バイトもない。
いいかな…？という意味を込めて、このメンツのしっかり者担当、るぅとくんの顔をちらりと見た。

「まぁ、お酒飲ませようとしないだけマシですよね…」
諦めたようにるぅとくんが呟く。

「じゃあ次はなんのゲームする！？」
お酒やらお菓子やらを抱えた莉犬くんが楽しそうに言う。

こんなに楽しい日は初めてで。
自然と笑顔が零れた。

オールしないんかい！！→←初めての！ゲーム！！

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