【刀剣乱腐】百花繚乱【短中編】 (ページ2)

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朧月と藤の花壱(三日骨) ページ2

｢俺は…燃えているのか……｣

燃える町、壊れる壁、あそこに居るの兄弟だろうか？

人の体を持たなかったこの頃の俺には兄弟を救う事も、逃げ出す事も出来ない。なんて無力だったんだ。

天井や瓦も崩れだし、遂には空が丸見えになった。

熱い。痛い。怖い。消えたくない。

色んな感情が交錯する中でふと見えた月。
周りの星とは比べ物にならないほどに煌めく三日月。

(嗚呼、今夜は三日月か…)

最期の最後まで俺の中に出てくるなよ……
本当でしゃばりな爺さん｡

会いたいなぁ。こんな炎アンタがいれば怖くないのに。

────ﾌﾞﾂｯ

嗚呼、あんなに会いたかったのは……誰なんだっけ………………？

、

い、………み、大丈………骨……おーい骨喰大丈夫？？？｣

｢…………鯰尾？｣

あれは夢だったのか………
しかし、今まで見みていた夢のはずなのに記憶は曖昧で今ではすっかり思い出せない。
妙に現実味があった気もするが…

(まあ、思い出せない適度の内容だったという事だろう……)

まだ額に残っている汗を拭き取りながら起き上がる。

｢骨喰ー、だいぶ魘されてたけどどんな夢見てたの？ねえ？ねえねえ？？｣

｢五月蝿い。大した話じゃないから気にするな｣

｢えー！！！なんだよそれ！！滅茶苦茶気にするんだけど！！！｣

ブーブーと文句を言う鯰尾は放っておき、時間を確認するともう既に内番が始まっている時刻だ。

今日は三日月爺さんとの畑当番だったはず。待たせてしまっているかもしてない。急いで内番服に着替えなければ。

｢あれー？どっか行くの？？｣

｢もう内番の時間だろ。……行ってくる｣

｢行ってらっしゃーい｣

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急いで内番服に着替えて、畑へ小走りで向かう。

｢…………ｯすまない爺さん…！！遅れ…………た………？｣

畑にでてもあの爺さんの姿は見当たらない。
なんだか急いで来た自分が馬鹿馬鹿しく思える………。

あの爺さんのことだ。来る途中で猫やら短刀達やらと戯れてでも居るのだろう。

(はぁ……もう少し待てば来るか……。)