I'll kiss you

先生… ページ35

夏の爽やかな風が通り抜けていく教室。


教卓で、女の子に囲まれてまんざらでもない表情を浮かべてる先生。


教室の隅の席で、頬杖をついてそんなようすを見つめる。


パチりと目が合って私は、頬を膨らませてそっぽを向いてみせる。


視線を感じるけど、しーらない。


楽しそうでいいじゃん。


最近こんなことばっか。せっかく先生と付き合えたのに学校で話すこともなければ目が合うことも少ない。


もしかしたら、先生は私のこと好きじゃないのかも。


そんなことを考えだしたら、どんどんループにはまっていきそうで。


勢いよく机に突っ伏す。


ゆっくり目を閉じれば、そこはもう白い夢の世界。


手を取り合って笑うのは先生と私。


夢のなかならあんなにラブラブなのに。


そこでぱっと場面が変わって、私は何故か泣いてた。


視線の先にいるのは、先生と知らない綺麗な女の人。


私なんか目に入ってないように2人は腕を絡ませて歩いてる。


ふと2人が立ち止まって、女の人が先生の首に手を回す。


2人の顔がみるみるうちに近づいてって……


「だめぇぇぇぇぇぇっっっ！！！」


自分の声にはっとして目が覚める。


周りのみんなは、ぽかんとした顔で私を見上げてる。


「あ………すいません」


真っ赤になりながら椅子に腰をおろす。


授業が再開してもさっきのことが気になって、全く頭に入らない。

2→←嫉妬？

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