【文スト】激甘と鎖骨が詰まった文スト【短編集】

酔いの勢い【織田作之助】・近しいものは【国木田独歩】 ページ37

美桜様、あかり様リクありがとうございます！

遅くなってすみません……！

今日は雨が凄くて一日中怠かったです。


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酔いが回り、頭がボーッとした状況で、織田作と世間話をしていた。
決して私たちは恋人などではなく、ただ待ち合わせのバーで残りの二人を待っている身である。

私は、何を思ったのか突然、織田作のネクタイを掴んで引き寄せた。
双方の顔が近づき、後数ミリで唇が重なりそうだ。


「……何をしているのだ？」

『……何だろうね。』


思わず苦笑いを溢す。
パッと手を離すと、自ら離れようと距離を取ろうとする。
だが、何故か腰に彼の手が回されて動けなかった。


『あの、離して……』

「何だ、お前からくっついて来たんだろう？」


酔ってるからだよ！
然し虚しくも私のこの声は織田作には届かなかったようだ。

すると、唇が柔らかいナニかと触れた。
一瞬の出来事で、酔いの回った私の頭では到底処理が追い付かなかった。


「……まぁ、取り敢えず今日は此で終わる。」


"は"って何だ。
すると、織田作が前に向き直ったと同時に、太宰と安吾が降りてきた。



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「何故体調管理を怠ったのだ。」

『はい、面倒だったからです！』

「阿呆」

『返す言葉もございません。』


私、只今風邪を引いております。
理由？昨日大雨のなか傘買うの面倒で走って帰ったら案の定風邪を引きました莫迦です。

国木田は仕事をマッハで終わらせて看病に来てくれました。


『…別に来なくても善かったのに。』

「何だと？A、お前は今病人だ。無理に動いたら悪化してしまうだろう。」

『風邪なんて直ぐ治るし…』

「何でも気合いで治ると思ったら大間違いだぞ。」


……え、治らないの？
気合いだ気合いだっつってたら、てっきり治るものなのかと……。
蒲団にくるまりながら、私の額をタオルで拭く国木田に話し掛ける。


『…本当に、大丈夫だよ。
　国木田だって、理想、崩れちゃうでしょ？』


理想、其れが彼を導く標し。
すると国木田は何故か溜め息をついたのだ。
否、何でだよ。


「あのなぁ、理想とかそういうのではなく、Aは俺に甘えろ。
　強いて云うなれば其れが一番理想に近しい。」


甘える事が理想に近いだなんてどういう事なのだろうか。
でも、彼の瞳は何時ものように真剣だった。
私は国木田の手を掴んで、一言呟いた。


『…………莫迦。』

悪巧みとか何とか【太宰治】→←崩したい衝動【芥川龍之介】

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