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if 役者パロ ページ1

「パパ、お顔が不安そうになってたよ?」

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「はい、カット!お疲れ様でした〜!」
「お疲れ様です、Aちゃん。今日もいい演技で驚きましたよ」
「いえいえ…降谷さんもさすがですよ!」

人気ドラマ「パパと娘の365日」の第17話の撮影は、とある遊園地で行われていた。

「降谷さんとゆうえんちで遊べるなんて、思ってもなかったので…楽しかったです!」
「俺も久々で楽しかったよ。今度はプライベートで、是非。」

太陽のような笑みを浮かべ男に手を差し出す少女。
彼女こそが、このドラマの主人公である安室…もとい降谷A役を務める鴨居A、御年4歳。
芸歴4年の子役だ。

そして対する金髪色黒の好青年、彼はもうひとりの主人公であり、Aの保護者役でもある公安捜査員の安室透こと降谷零役、降谷零。
つい五ヶ月ほど前に事務所にスカウトされた、期待の新人である。

このドラマの大きな特徴は、登場人物の殆どが出演者本人の名前であること。
そして、チェイスシーンでもスタントを使っていないことだ。何故か知らないが多くの男性陣はチェイスシーンの撮影を怯むことなく難無くこなしてしまう。

「降谷さんっ、あそこのポップコーン食べたいです!」

「よし、買いましょう!」

キャスト全員がまるで家族のような雰囲気のこのドラマは、まず主婦層にウケた。
そして、降谷や赤井といった男性陣の整った顔立ちのおかげで中高生、小学校高学年や社会人。
極めつけはAのリアルな演技により、幼稚園児も見ているという結果になった。

「それにしても…暑いですね、降谷さん」

先程買ってもらったポップコーンを食べながら、バケットを降谷にも差し出すA。

「そうですね…そういえば、さっき撮影の時に言ってた映画、Aちゃんもファンなんですか?」

「はい!全作DVDも買ってもらって…大好きなんです!」

言葉に力が入るAを見つめ、微笑む降谷の姿はさながら父親だ。

「今度俺にも見せてもらえますか?気になったので…」

「はい!もちろんです!」

スタッフから「Aちゃーん!ちょっと来てちょうだい!」と言われて降谷に背を向け駆け出していったAの背中を見つめ降谷が内心「俺にもあんな娘が欲しい」と思っていたのは誰も知らない……



《Aちゃん、ほんとに俺の娘にならない?》
《降谷さんは冗談がお上手ですね?》

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作者名:梨櫻 | 作成日時:2017年7月18日 23時

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