吾輩は転生少女である。名前は毛利蘭【名探偵コナン】

第９話 ページ10

こうして色々と原作をぶち壊している訳だが、最大の破壊はこれ以外にはないだろう。


――私が、江舟先生の毛利蘭誘拐計画を自ら調査して証拠を集め、これ以上の行為をやめさせようと動いた事だ


原作ではミニ工藤と彼の父・工藤優作氏によって行われるのだが、残念ながら私は守って貰うお姫様キャラではない。というか、毎回昼飯に混ぜられた睡眠薬を分かってて摂取するのが正直メンドい。また、これから原作を大いにぶち壊していく身としてその練習台にもしたかったからである。という訳でさっさと決行した。



証拠集めだが、これは園子ちゃんから貰った盗聴器とカメラを使わせて頂いた。前に彼女の家に遊びにいった時、「スパイが使う機械ってかっこいいよね〜」と偶然にも彼女がそういう話題を提供してくれたのだ。そこでさりげなく便乗してみた所、彼女は鈴木財閥の開発したそれらを見せてくれた。そして「以前のお茶会で苺をくれたお礼に内緒で幾つかあげる」とのお言葉に甘えて、超小型の盗聴器とカメラを譲り受けた。

純真無垢な彼女の厚意を利用した事は、心の底から本当に申し訳ないと思う。この借りは生涯忘れないと心に誓った。原作蘭ちゃんの言う通り園子ちゃんとは、金持ちのお嬢様ではなく本当の親友として付き合いたいから。


話を戻してその盗聴器だが、先生の奥さんの病室に誰もいない時を見計らって侵入し、取り付けた。超小型カメラは保育園のスモックにさりげなくつけて、散歩の時に私を尾行していた奥さんの実弟の写真を撮る時に活用。

結果は上々。先生の奥さんと実弟による毛利蘭誘拐の話は隅から隅まで録音できたし、実弟の尾行の様子はちゃんと撮れたし。ってか尾行が下手な事に内心爆笑。彼はバンに乗って尾行をしていたが、あれじゃすぐバレる。ちなみにそれを突き止めようとしていた優作さんもいて、遠目にそのルックスの良さを確認。眼福万歳!!


さてこれらを踏まえてた上で私は警察に通報した。勿論公衆電話から、送話部に布をかけて声を高めにした上で、「捜査一課の毛利小五郎刑事の愛娘・毛利蘭を、彼女の通う保育園の教師・江舟論介とその妻、そして彼女の実弟が誘拐しようとしている」とね。証拠品として十二分な働きをしてくれた盗聴器と小型カメラは、地下のコインロッカーの1つに入れておいた。それも電話で指示。また、江舟論介に関してはある人物が自首を説得中なので、彼が警察に赴くまで待つようにと伝えた。


――ある人物とは、当然私である。

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