第１０話 ページ11
その日は分厚い雲が太陽を遮っており、地上は春とは思えぬ寒々しさに包まれていた。冬を彷彿とさせる辺り、まだまだ気候は安定しないなと窓から空を見上げてふと思う。そして息を1つ吐き、くるりと体の向きを変えて、職員室のプレートが掲げられたその部屋に入った。
『江舟せーんせ!』
「ら、蘭ちゃん!?」
扉を開けると同時に明るい声音で呼びかければ、室内に唯1人残っていた彼は弾かれた様に顔を上げる。そして私を見ると、元から浮かべていた苦悩の色を一瞬で驚愕の色に変えた。
「どうしたんだい?ダメじゃないか、こんなところにきちゃ。今は教室で遊ぶ時間だろう?さぁ、皆の所に戻って。先生も行くから」
『戻らない。私、先生と2人きりでお話がしたくて抜け出してきたの』
「お話?」
首を傾げる先生に子供っぽく頷き返して、私は彼に近寄る。
『先生、今何か悩んでるでしょ?それをなくしてあげたいなぁって思って』
「あはは、心配してくれて有難う。でも先生に悩み事なんてないよ」
『嘘。だってさっき見たもん。私に驚く前に、先生がしてた苦しげで辛そうな顔』
そこで一旦息をつき、私は鋭く先生を見上げた。ニヤリと口角を上げて見せる。今までの�猴捗�・毛利蘭�瓩箸倭瓦�違うその言動に戸惑う彼に、私は言い放った。
『それってさぁ―――――私が誘拐しにくくなったから?』
脳内で白い怪盗さんが高らかにそう告げ、私の初めての推理ショーが幕を開けた。
…おぉおおぉ、今の私って相当カッコよくキマってない!?そうだよね、コナン特有のミステリアスムード纏っちゃってる感じだよね!我ながら上出来だぜヒャッハー!!いやぁ、実は憧れだったのよねぇ!とりま最高だぜ!!
「ッな…!?」
江舟先生は私の言葉にガッと目を見開いた。あまりの衝撃に言葉も出ないらしい。まぁ、どっからどう見ても4歳児の少女に図星突かれたらいやでもこうなりますわな。そんな彼は知る由もないだろう。眼前の張本人が、脳内で凄まじくどうでもいい破壊的中二思考を展開させている事に。ある意味とても可哀想である。合掌。
『私を誘拐しようとしたのは、この間会った先生の奥さん――娘さんが家出した事で重度のノイローゼに陥った彼女の為に、娘さんが1番可愛かった保育園の頃から育て直そうと考えたんでしょ?』
「な、何を言っているんだい、蘭ちゃん?」
『証拠ならあるよ』
私は狼狽える彼にレコーダーを突き付けた。そしてスイッチを押す。
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コ哀好き雪菜だぞっ！??(プロフ) - わぁい！一番好きなタイプの小説があった！(名前で察してくだs((((() (2022年6月2日 14時) (
レス) @page6 id: 0404828a37 (このIDを非表示/違反報告)
楓＠悠生(プロフ) - 初めまして！楓です！凄く面白いです！体調に気を付けながら更新頑張ってください！待ってますヽ(ﾟ∀ﾟヽ) (2017年10月7日 16時) (レス) id: b92cafe07e (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - ぱるさんさん» とんでもない!お疲れ様です。素晴らしいお話を有難うございました、流石ぱる様。では私の方で保育園の誘拐事件編完結させたいと思います。終わったら報告しますので宜しくお願いしますデス!! (2016年12月26日 10時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - ２話更新ですがパスします！少なくてごめんね！ (2016年12月25日 22時) (レス) id: d90f3d4a31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 立体起動装置愛用者さん» ありがとうございます！ (2016年12月25日 12時) (レス) id: d90f3d4a31 (このIDを非表示/違反報告)
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