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神様はどうして
彼にばかり試練を与えるのだろう。
脳の手術をして、ちゃんと検診にも通ってる。
彼が何をしたの？
変われる事なら…変わりたい。
仕事の休憩中…私の携帯が震えた。
章大からだった。
でも…
聞こえてきたのは…
慌てふためいた…大倉さんの声だった。
大「Aちゃんっ！？
ヤスがな、今日の朝…部屋で転んで…
病院運ばれてもうて…あのっ」
「どこの、どこの病院ですか？」
大倉さんの言葉を遮り場所を聞く。
そのまま…申し訳ないが電話を切った。
すぐに店長に事情を話し、早退した。
会えるかは分からない。
行って、私と章大との関係を何て言おう。
何故かタクシーの中で、冷静に考えていた。
しばらくして到着した病院の入口で
私は動けなくなった。
震えが止まらない…手。
あの時の恐怖が蘇り、その場にしゃがみ込む。
ダメだ。
こんな時こそ、しっかりしなきゃ。
どうにか足に力を込めて病室に向かった。
特別室の前には大倉さんが待っていてくれて
章大のところまで連れて行ってくれた。
大「今、誰もおらんから…」
私はノックして、ドアを開けた。
そこには…
苦しそうに顔を歪めて横になっている…彼。
大倉さんは気を利かせて
私達二人にしてくれた。
ゆっくり…ゆっくり…ベッドに近づいて
声をかける。
「章大…？」
安「A？」
顔だけこちらに向け目を開けた。
安「ごめんな、また心配かけて…。」
「本当だよ…ばかっ…」
私は章大の手を握り、自分の頬に当てた。
その手は…そっと私の涙を拭った。
安「…ふふ、大丈夫やから。
泣かんといて…。」
「うん…。」
トントン…
大「ごめんな…たぶんマネたち戻ってくる
みたいやから…。」
「はい、じゃぁね…章大…。」
私は誰にも会わないように裏口から出た。
この日…
どうやって家にたどり着いたかは
あまり覚えていなかった。
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作者名：すばくら | 作成日時：2019年7月3日 5時
