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お仕置きは ページ7

太宰さんはさっきよりもっと距離を縮め、腰に回している右手の力を強めてくる。

ふわりと包帯の薬品の香りが鼻に纏わり付いた。



『太宰、さ、やめ…』

「やめて?君からやっておいてかい?」



反論の余地もないが、こればっかりは私の心臓が持ちそうにない。

太宰さんは変わらず私の長い髪をするりと梳くものだから、その仕草さえも妖艶に感じていて。


…今まで太宰さんは上司でしかないと思っていたのに。

今ではこんなにも意識させられて、頭の中もぐちゃぐちゃに乱されて――――



「そんなに顔真っ赤にして、涙目にもなっちゃってさ。

その顔で「やめて」なんて云われても――」

『―――…だ、ざ』

「――余計に、苛めたくなるだけじゃないか」



痺れそうになるくらいの、甘い声で。

吐息をかけるように耳元でそう云った後に、


私の唇を、つう、と左から右へゆっくりと人差し指でなぞった。


唇から感じる、この人のしなやかな指でさえ、私の体温を上げるのには充分すぎて。


瞳でさえ逸らす事も許さずに、目線まで絡めてくるのだ。


そのせいで、私はもう何も云えなかったというのに。



「なーんてね。少し苛めすぎちゃったかな」

『え』



いつの間にか、いつもの飄々とした太宰さんに戻っていたのだ。

さっきまでの怪しげな雰囲気は消え、ニコニコと笑う私の上司_____



『な、からかってたんですか!』

「からかう?人聞き悪いなあ。悪ーい部下へのちょっとしたお仕置きさ」

『う"。』



その瞬間もう二度と、寝ている上司には手を出さないと決めた私だった。

けれどもまだ何かあるのか、太宰さんは「あ、」という声をあげた。



「折角二人しかいないんだよ?私が許すから、偶にはAちゃんもゆっくり休めば良いじゃないか」

『私にも貴方にもまだ仕事がありますって』

「いいからいいから」



そう云われた途端、私は思い切り腕を引っ張られ、バランスを崩した。

思わず小さく悲鳴が漏れたが、いつの間にか私の体は太宰さんの上で――――



「ふふ、つーかまえた」

『な、太宰さん!?』



ソファに仰向けで寝っ転がる太宰さんは、離さんとばかりに私を腕の中に閉じ込めた。


胸板の上に倒れ込む様な形なのだが、之また凄く恥ずかしい。


じたばたと暴れたい気持ちなのに、がっちりと抱き着かれているので身動きがとれなかった。


それを察したのか彼はニヤリと笑って______






「此の儘二人で、お昼寝、しちゃおうか」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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お湯(プロフ) - のりばやしさん» またコメントありがとうございます…!感動してくださったならなによりです!新作も頑張ります(*´`*) (2018年8月9日 19時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - もう一度失礼します!!完結おめでとうございます!!めちゃくちゃ感動しました!!話の終わらせ方が素晴らしい!!新作待ってます! (2018年8月9日 18時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - のりばやしさん» そう言ってくださり嬉しいです!ありがとうございます〜!! (2018年5月24日 18時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 話の展開と語彙力に心を動かされます。更新頑張ってください!!(*^ω^*) (2018年5月23日 19時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - すばるさん» 返信遅くなって申し訳ございません…!!ありがとうございます!!可愛い太宰さん、いいですよね…!(*´▽`*) (2018年2月23日 20時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お湯 | 作成日時:2017年10月9日 18時

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