【銀魂】沖田くんと彼女さん4

157.涙のわけ ページ24

亮太side


亮太「お月見の日どうして泣いていたんですか？」

僕の質問に明らかに表情が暗くなるA先生。ずっと気になっていたことだったし、なんとなく聞いてはいけないことだった。

けど、告白する前にちゃんとA先生のことを知りたい。

A「....聞いたら後悔するかもよ。」

亮太「かまいませんよ。先生のこともっと知りたいんです。」

A「私ね、8歳のときに家族を火事で亡くしたの。生き残ったのは私だけ。その日が憎たらしいほど綺麗な満月の日だったの。」

ぽつりぽつりと話し始めたA先生。顔を見ればどこか悲しそうな瞳をしている。

A「ひとりぼっちになった私を助けてくれたのが総悟だったの。あのとき総悟がいなかったら私はこんなに元気に暮らせてなかったと思う。」

私は大丈夫と少しニコッと笑って見せられる。

A「でも、その火事は事故とか不注意なんかじゃなくて、人為的なものだったの。犯人はいまだに見つかってない。私はその犯人を見つけて捕まえるために真選組に入ったの。」

亮太「だからあのとき...」

A「あのときはね、悲しくて泣いたんじゃないよ。みんなで月を見て、ワイワイ騒いで凄く温かかった、その温かさに涙が出たの。憎かったはずの月が綺麗に見えたの。」

亮太「.........」

A「ごめんね、こんな暗い話しちゃって、困るよね.....えっ？！」

ギュッ

A先生の抱えているものを知って思わず僕は抱きついた。

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