世界のてっぺん ページ25
「…頑張れ。」
私はあなたに会いに来た。
あなたの名前を聞きに来た。
「頑張れ！！」
あなたの感情を、知りにきたんだよ。
時折聞こえる大歓声が、どちらのチームを祝福しているものなのかも分からない。
どっちが何点取っているのかすら、分からない。
それでも
この神聖なフィールドの上に 神聖なあなたが立っているということだけは知っているんだ。
突然鳴り響いた長いホイッスルの音で、前半が終わったことを知らされる。
私はきっと、これほどまでに長く感じるハーフタイムを経験したことは未だかつてなかっただろう。
視界から入ってくる80%の情報を抜きにしても
たった20%を感じるだけで 私の胸はアツくなった。
そして、ついに
このフィールドの物語は
大きな歓喜と大きな落胆を交えながら、
終焉を迎える。
脳天を突き刺す、3回のホイッスルが
それを私に教えてくれた。
「_______どっ、ち？」
場内に響き渡る、“ Japan ”のアナウンス
一斉に立ち上がる、真っ青な色の人々
聞こえてくる、「勝った…！」の声
あぁ_________。
脳腫瘍という病気を患って、彼は私の元へ来た。
突然の頭痛、唸り声、不安、恐怖、涙。
彼の歩いてきた道を平凡な道だなんて言ったら、針を千本も飲まなきゃいけないことになる。
辛くて苦しくて痛くて、逃げ出したくなる道だったね。
でもあなたはいつも笑顔だった。
絶対に負けなかった。
負けそうになっても、勝利を信じて走り続けたんだ。
そして純粋にサッカーを楽しんだ。
_______あなたは、美しい。
あなたの命が、生き方が
本当に美しいと思うんだ。
「388番さん！日本、勝ったわよ！」
突然聞こえてきた大崎さんの声に、
この事実を確信する。
「…え？ちょ、ちょっとあなた泣きすぎ。」
「だって…だって！」
あなたは遂に立ったんだね
世界のてっぺんに。
「えぇ、やったわね！さぁ、行くわよ。」
「え…どこにですか？」
「決まってるでしょ？行くところなんて一つしかないじゃない。」
そう言うと、焦る私を気にも留めず
彼女はグイグイと私の車椅子を押した。
「ライセンスカード。貸してもらったんだから、ね。」
「や…ま、まだ心の準備が…！」
…まさか、こんなに急に行くことになるとは思っていなかった。
名無しくんに会えるまで
もうあと、何分だ__________。
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やっさん(プロフ) - もちまる。さん» 素晴らしい内容です。夢主さん、良かったですね(^o^)v。しかし、人生の本当の勝負はこれからですぞ〜(^^) (2020年10月27日 20時) (
レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
一郎太と士郎が好きな者♪リン(プロフ) - 何か今更感溢れてるんですけど、完結おめでとうございます！(一年ぐらいたってるのにww) 私が占ツクを始めるきっかけとなったこの作品。 完成度が高くて、私もこんな作品を書けるような作者になりたいです！ ありがとうございました！！ (2020年4月22日 1時) (レス) id: e6fb3fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - やーだもう…青春…たまたま見つけて流れ読みしてきたら3時間前に完結してたんですけど…完結おめでとうございます！ (2020年3月30日 3時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
shoto(プロフ) - もっと評価されるべき。最高。こんな最高な作品と夢主ちゃん、野坂君を書いてくれて本当にありがとうございます。 (2020年3月29日 22時) (レス) id: ef163209c8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキウサギ - とても良かったです！！！！ 野坂さん最高ッス！！！！！！！！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: ce069fbf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2019年4月27日 23時
